古民家のリノベーションの魅力、費用相場、絶対施工が必要な箇所とは?
古民家のリノベーションの魅力、費用相場、絶対施工が必要な箇所とは?
2024.01.16
最近注目を集めている古民家リノベーション。レトロなものがブームとなっている時代も後押しして、古い空き家を安い価格の古民家を購入し自分でDIYを行いSNSでその過程を発信している方もいます。
住まいとしての再生はもちろん、飲食店や店舗、宿泊施設などビジネスとしても活用されています。
そこで今回の記事では、古民家のリノベーションの種類や主な施工箇所、費用の相場、注意点等、古民家リノベーションに関する全体の概要を解説いたします。
どうぞ最後までご覧いただき、これから古民家のリノベーションを検討している皆様に役立ちますと幸いです。
古民家リノベーションとは
古民家とは現代の建物ではなく築約50年を超える木造の住宅を指し、一部または全体をリノベーション・リフォームして、今の生活に合わせて快適に心地良く安全に過ごせるよう再生することを古民家リノベーションと言われています。
最近はあえて古民家の雰囲気を残したリノベーションを行うことが人気で、古く味のある柱や梁といった構造の部分は変更せず、使える建材や建具はそのまま使用するケースが増えています。
リノベーションにかかる費用も抑えられるため良いですよね。
部材の汚れが気になったり腐敗などしている場合は、古民家を一度解体し、部材を洗ったり状態に合わせて補強、交換などを行って大規模な改修を行うこともあります。
また、古民家を別の場所に移動させる移築再生という方法もあります。
古民家の魅力
古民家は日本の伝統的な建築工法で建てられた建物ですが、それだけではなく古い家ならではのさまざまな良さがあります。
和室や縁側の和の趣。長い年月と歴史を感じさせる柱の色。漆喰や紙など天然の素材で仕上げられた体に優しい壁やドアの建具。美しいデザイン。広々とした開放感や癒し、落ち着き、凛とした雰囲気等々・・・。
古き良き日本の建物は精神的に疲れている現代人にとって非常に魅力的な存在と言えるのではないでしょうか。
また、古民家は地域の、日本の歴史・文化的な遺産として価値のある建築物です。地域の象徴にもなりえるため、リノベーションして活用されることでその資産を守り、新たな付加価値をつけることも出来ます。
古い建物に新しい家具等のインテリアをミックスすると、モダンな雰囲気になりとてもおしゃれな内装になります。
また、さまざまな事業やビジネスとして活用することも可能なため、観光などで人を集めるキッカケにもなるでしょう。
税金面でもメリットがあり、固定資産税が安かったり条件によって住宅ローンの控除があったり自治体によって補助金が出る制度のあるところも多くあります。
特に移住を積極的に勧めている地域では、古民家の購入や再生のサポートをしてくれるところもあるため、不安や心配がある場合は気軽に相談して問題を解消するための情報やアドバイスをもらうと良いでしょう。
古民家リノベーションの費用相場
古民家のリノベーションは施工する内容や範囲によってかかる費用は大きく違います。
そのため、「費用の相場はこのくらい」と一概に言うのは難しいのです。
外壁などの塗装や部分的なリフォームであれば500万円程度で済む場合もありますが、リノベーションの総額としては1000万円~2000万円くらいの事例が多く、目安として考えると良いでしょう。
「リノベーションなのに意外と高い。それならば新築に建て替えてしまった方が良いのでは?」と感じた人が多いのではないでしょうか。
確かに実際に古民家のリノベーションを行うと思ったよりも高額になりがちです。しかし建て替えとなると既存の建物を解体し、更に廃材にもお金がかかります。また、建物以外にも設計などの諸経費もかかってくるため、リノベーションよりも更に高額となる可能性が高いでしょう。
古民家リノベーションのコストを抑えるには?
古民家のリノベーションの費用は、どこの工務店に依頼するかが肝となります。
全国にある大手のハウスメーカーにも良さがありますが、費用を抑えるなら地域の施工店を
探しましょう。
近くの施工店であれば現場からの移動にかかる時間なども削減できますし、大きな広告費や維持費もかかりません。そのようなものも見積もりの金額に反映してくるのです。
とはいえ、いくらリノベーション専門のプロの職人でも古民家のリノベーションの実績が豊富にある人でないと希望の仕上がりにならない可能性がありますので注意し、よく確認しましょう。
また、予算の範囲内でリノベーションを行うことも大切です。
以下で紹介する機能面の補強や水回りの設備、リビング・ダイニングや寝室などの空間は優先箇所ですが、予算が心配な場合は使用する頻度の低い部屋や将来的に必要であろう子供部屋などは畳や壁紙などのリフォームにとどめる等、範囲を限定すると良いでしょう。
また、柱や梁、屋根の瓦などまだ使うことができるものは活かしたいところ。状態によって交換するのではなく補修で済むかも知れません。
古民家で必要となる基本のリノベーション4選
ほとんどの古民家でリノベーションが必要となる箇所を以下に紹介します。工事が完了してからでは施工が難しくなる部分も多いため、前もって知識を持ち対策を立てておきましょう。
<耐震補強>
古民家は今では手に入りにくい丈夫で貴重な木材を使って高い伝統の技術を持った職人によって建てられているため、古くても意外と耐震性が高い物件が多いのですが、1981年6月に改正された現在の耐震基準には準拠していません。特に日本は地震による災害の多い国。安全に安心して使用するためには、しっかりとリノベーションで耐震性を補強する必要があります。
<断熱補強>
古民家は天井が高く間取りや空間が広いこと、古さゆえに壁や床、窓、屋根などに隙間ができていたりと開放的で風通しが良い反面、雨漏りがあることもあり気密性が低い建物です。いざ住んでみると特に冬の寒さは一般的な現代の住居と比較して厳しく、夏も冬も冷暖房も効きにくいため暮らしの中で光熱費も高額になってしまいます。
壁に断熱材を使ったり、ペアガラスを導入する等のリノベーションを行い、快適に暮らすために性能や機能を高めることが必要です。
<水回りの設備交換>
古民家のキッチンやトイレ、浴室、洗面所などの水回りの設備は新しい物に交換する必要があります。
給排水管も耐用年数が過ぎて劣化や破損している可能性が高く、使用している中で問題が発生する危険もあるため必ず交換しておきましょう。
<バリアフリー>
古民家は玄関の土間や室内の廊下、部屋との境目に段差があることが特徴でもあるため、同居する家族に高齢者や小さなお子さんがいる場合、そして自分たちの老後を考えた時、バリアフリーの対応をしておくことがおすすめです。
また、階段などには手すりを設置しておくのも良いでしょう。後から付ける場合は壁に合板下地を入れておくと、いざ必要となった際に少ない工事で設置することが可能です。
まとめ
以上のように、古民家には現代の戸建てやマンションにはない魅力があり、リノベーションすることのメリットも多くあります。
一方で古民家には足りない性能を高めなければならないため、思ったりの費用がかかるといったデメリットもありますが、自分たちの理想の唯一無二の家づくりを実現する楽しさは格別。
そのため、古民家のリノベーションは住居やインテリアにこだわりがある方には特におすすめです。
工務店選びには慎重にならざるを得ませんが、不明な点がありましたら是非お気軽にお問合せ、ご相談をいただければと思います。