土壁を漆喰(しっくい)で補修するメリットは?DIYはできるの?
土壁を漆喰(しっくい)で補修するメリットは?DIYはできるの?
2024.02.02
土壁は自然な素材で塗装されているため人の体に優しく、温かみのある風合いが感じられることから、古民家等の日本の古い住宅や建築だけでなく今も人気のある塗装方法です。
しかし、年月が経つと土がポロポロと剥がれ落ちてきたり壁が崩れてしまうといったことが起こりやすく、補修を行う必要が出てきます。
土壁を補修する方法にはいくつかありますが、その中から今回の記事では「漆喰(しっくい)」を使った補修方法について解説してまいります。
どうぞ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。
土壁を補修する方法は主に2種類
土壁が劣化した時に補修をする方法は主に「塗り直し」か「張り替え」の2つに分けられます。
土壁の塗り直しでは珪藻土(けいそうど)や漆喰(しっくい)等の自然素材が使用され、本来、土壁が持つ通気性や調湿といった機能を保つことが可能です。
張り替えは現代の一般的な住宅の壁によく使われているクロスや板、石などを用いて行われ、塗り直しに比べて時間もかからず簡単に綺麗にすることが出来ますが、土壁が持つ質感や機能といった面は失われることになりますので安易に決めてしまわず、リフォームを依頼する会社によく相談をしてから決めることをおすすめします。
土壁を漆喰(しっくい)で補修するメリット
土壁の補修に漆喰を用いるメリットをいくつか紹介します。
まず漆喰とは水酸化カルシウム(消石灰)を材料としているもので、和室にも洋室にも合いますし、内壁だけでなく外壁に使用することも可能です。
匂いや湿気を吸収する機能や耐熱温度が高く防火対策にもなると言われているためリビングや寝室だけでなくキッチンにも使われます。
自然素材なので環境にも体に優しく、シックハウス症候群の予防やアレルギーを持っているお客様にも適しています。
また、漆喰は表面をツルツルと磨き上げたような仕上がりになるため、デザイン性の高さも人気の理由でしょう。
土壁を漆喰(しっくい)で補修するデメリット
近年は家のリフォームやリノベーションをDIYで行う人が増えていますが、漆喰は塗装して乾燥させる際にヒビ割れが発生しやすく扱いの難しい素材であるため、自分たちで施工するのは無理があります。
そのため、美しい仕上げにするためにはプロの職人による高い技術が必要となり、その分の時間や手間、費用がかかってくる点はデメリットと言えます。
そもそも漆喰の原料となる消石灰は金額が高いため、漆喰以外の素材で塗るよりも全体的に高価になる傾向にあるのです。
その点を踏まえた上で、予算を考慮しメリット・デメリットも確認しながら何の素材や方法で補修を行うかを決めると良いでしょう。
DIYで土壁を漆喰で補修したい場合
以上のように土壁を漆喰で塗り直すには高い技術力が必要であり、DIYはおすすめできません。
漆喰は原材料である石灰石を焼き、生石灰を作って水を加えると消石灰になります。更に糊等の接着剤を加えて練り、壁に塗ることが出来る状態にしないといけません。製造の工程には大量の燃料が必要となり二酸化炭素が発生するため、専門の知識が必要となります。
それでも中には予算の関係やDIYが好きで、どうしても自分たちで補修を行いたいという方もいるでしょう。実際にDIYで漆喰による補修をされた事例も見かけます。
最近は仕上げ材としてDIY用の製品も販売されていることから、プロのようにはならなくてもある程度の仕上がりを求めている場合にはそのような商品を利用すると良いでしょう。
床や建具などの養生を行って準備を整えた後、シーラーや下塗り材を塗り下地を作る作業が出来たら、漆喰が目に入らないように注意をして仕上げ塗りを行いましょう。