土壁の補修には漆喰がおすすめ!その理由と補修のポイント
土壁の補修には漆喰がおすすめ!その理由と補修のポイント
2023.12.01
土壁が再び注目されている理由
近年のレトロブームの流れは、ファッションや雑貨だけでなく建築物にも影響し、その中で「土壁」も注目されています。
土壁とは、土に砂や藁を混ぜ水で練って塗り固めた壁のことで、昔から日本の建物に利用され、親しまれてきました。
今でも古民家などでは土壁を見る事が出来ますが、近代化に伴い現在の家屋に土壁が使われることはほとんどありません。
土壁は調湿や断熱、防火、脱臭といった機能を持ち、日本の気候に合った非常に優れた塗装方法ではありますが、一方で職人による高度な技術やセンスが必要であること、塗り重ねとゆっくりと自然な乾燥を何度も繰り返すため施工に長い時間がかかること、そしてひび割れが起こりやすく次第に利用されなくなっていきました。
しかし先述したレトロブームで土壁で家や店舗を造ったり、土壁の古民家を購入する人は増えており、それと同時に時間と共に劣化した土壁のリフォームについて検討される方も増えています。
土壁のリフォーム方法
土壁にひび割れや剥がれ、崩れ、カビ等が発生したら、塗り替えや補修をしなければなりません。
そこで最もよく使われているのは土壁と同様に自然素材である「漆喰」を使用した方法です。
漆喰の原料は石灰石で、白く美しい色が特徴です。その石灰石を焼き、消石灰に変化したものに水や糊を混ぜ、練ってから塗りたい場所へコテや(手袋を付けた)手で塗っていきます。
漆喰を塗る厚さは表面に1mm程度とごく薄いのですが、二酸化炭素と結合すると非常に強固になるので特に外壁に昔から使われています。また、強アルカリ性であるため防カビの効果が高く、大切な物を保管している土蔵などにもよく使われています。
漆喰壁は土壁のようにひび割れや剥がれが起きにくく、それでいて土壁のメリットである調湿作用を持ち合わせ、見た目の質感も美しいため、土壁の持ち味や雰囲気を大きく損なわずに劣化した土壁の補修材、仕上げ材として非常に相性の良いものとなります。
漆喰以外の材料を使った方法としては、他に土壁に下地を塗りその上から塗料を塗る方法や、壁紙を貼るといったリフォーム方法もあります。色や素材によって簡単に大きな変化を楽しめますが、調湿性や土壁の風合いが失われる可能性があります。
土壁を漆喰でリフォームする時のポイント
漆喰は土壁だけでなく砂や繊維、綿、京土といった壁に塗ることも可能ですが、いずれもしっかりと下塗りをすることがポイントとなります。
土壁が下地として使える状態であればその上からシーラーと呼ばれるものを塗り、そうでなければ剥がして塗ります。
これは漆喰の変色を防ぐ、下地として使用できる状態になるよう固めるといった目的があり、大切な処理となります。
下地によって仕上がりに差が出るため、丁寧に行ってくださいね。
ただしシーラーは自然素材ではないため、シックハウス症候群や過敏症などがある場合には施工をする前に担当する会社にその旨を相談することをおすすめします。
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