土壁の補修方法とそれぞれの特徴について
土壁の補修方法とそれぞれの特徴について
2023.11.07
土壁とは土に砂や藁を混ぜ、水で練って塗り固めた壁で、古民家など日本の古い住宅や建築物によく使われてきました。
土壁は木材と比べて火事が広がりにくい耐火性があり、独特な風合いや質感が好まれて和室や多くの茶室にも取り入れられていました。
しかし土壁は高い技術力必要となる施工が難しい塗装方法であり、手間がかかる分、工事の期間も長くなります。それにより時代が進むにつれて土壁の需要は減り、同時に土壁を作る職人の数も大幅に減ってしまいました。
そんな中、空き家となった古民家をリノベーションし、住まいや店舗として再生する取り組みが増えている近年、古民家ならではの雰囲気や魅力を残すために土壁も補修してそのまま利用したいと希望される人が多くいらっしゃいます。
そこで今回の記事では、土壁を補修する方法について解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、参考にしていただければと思います。
土壁の主な補修方法
剥がれたり崩れてしまった土壁の補修をする時、ほとんどの場合は塗り直しか張り替えのどちらかの方法を取ることになります。
<塗り直し>
主に珪藻土や漆喰などの素材で塗り直しが行われます。
珪藻土は近年注目を集めている素材なので、知っている方も多いのではないでしょうか。
一番の特徴は高い吸水力で、壁に用いた場合は通気性が良く調湿作用があります。更に内部に空気をたくさん含むため断熱材としての効果も期待できます。
ざらざらとした質感で素朴な風合いがあるため、古民家の雰囲気ともよく合います。
漆喰は古来から使われている素材であり、日本の多くの歴史的建築物にもよく用いられています。
強アルカリ性の素材であるため抗菌作用に優れており、カビや菌の発生を抑制する特性があることで今でも人気の高い素材です。
質感としては表面がツルツルとして埃が付きにくく、美しい風合いと心地よい手触りが特徴的です。
その他、赤土や黒土といった土で塗り直しすることも可能です。
何か希望の素材がある場合は取扱いがあるかどうかリフォーム業者へ確認してみましょう。
<張り替え>
張り替えは土壁の下地を平らに処理した後、その上から重ねて素材を貼り付けていく工法で、主にクロスや板、石などが使われます。
塗り直しの作業は時間と費用がかかるため、もっと早く安く補修を完成させたい場合に張り替えを選ぶケースが多いです。
クロスはデザインの種類が豊富にあり、価格も安く短い期間で施工が出来る点がメリットです。
機能性もさまざまですので、その部屋に合った色や柄の壁紙を選ぶ楽しさがありますよね。
板張りの場合は木になりますので、当然古民家との相性はバッチリです。
無垢材には湿度を調整する機能もありますし、木の香りや手触り、風合いで落ち着き安らげる空間を演出できるでしょう。
石張りは主に外壁に使用され、日本では少ないもののヨーロッパの建物でよく見られる素材です。火や水に強く耐久性もあるため劣化もしづらく、古民家という和の中に洋を取り入れたモダンで高級感のある雰囲気に仕上げることが出来るでしょう。
石にも大理石や御影石など様々な天然石の種類があり、機能や特徴もさまざまです。
土壁の補修は自分でできるのか
土壁の補修でなるべく費用を抑えたい場合、DIYを考える方もいらっしゃると思います。
実際、最近のDIYブームにより手軽に必要な道具や材料の製品を購入することが出来るようになったため、自分でペンキを壁に塗ったり張り替えを行う方は少なくありません。
しかし範囲が広かったり、下地の状態によってはきれいな仕上がりにすることが難しく、特に漆喰で塗り直す場合は乾燥しやすく高度なテクニックを要するため、やはりプロに依頼することをおすすめします。
土壁の補修を依頼する会社の選び方
土壁の補修を依頼することに決めても、数ある業者の中からどこを選べば良いのか、判断基準がが分からないと困りますよね。
そこで業者の選択を失敗しないための見極めポイントとして、以下のことを確認してみて下さい。
まず、土壁のリフォームを得意としている、実績が豊富な会社か。次に、他のお客様からの口コミや評価に問題ないか。そして担当者の対応が良いか。
この3つの点をネットやSNS等を使い情報を集め、会社のホームページに掲載されている過去の事例なども見ていくつかピックアップしたら直接会社へ赴き、見積りももらって比較・検討していきましょう。
いきなり契約する前に、不明な点や不安なことがあれば小さなことでも担当者に確認・相談し、十分納得した上で安心して頼める会社を選ぶことが大切です。