空き家を解体するデメリットはあるの?解体する前に絶対確認してほしいこと
空き家を解体するデメリットはあるの?解体する前に絶対確認してほしいこと
2024.02.16
空き家は現在全国で増え続けています。そしてさまざまなトラブルを引き起こし、近隣や地域だけでなく大きな社会問題にまで発展するケースも少なくありません。
空き家をリフォーム・リノベーションし新たな住まいや店舗として再生されれば良いのですが、多くの場合は再利用の予定がなく解体される、あるいは解体予定となっている物件が多いです。
しかし、実は空き家の解体にはデメリットもあり、安易に解体することはおすすめできません。
そこで今回の記事では、空き家の解体で起こるデメリットについて解説します。
最後までご覧いただき、空き家の解体を検討している皆様の参考になればと思います。
空き家とは
空き家の解体のデメリットについて解説する前に、まずは「空き家」とはどのような状態の家のことを指すのか、その定義を簡単に説明します。
国土交通省、総務省が提示しているものによると、「空き家とは1年を通して電気・ガス・水道の使用がないこと、人の出入りがない状態」としています。
ここでは1年を目安としていますが、実際はそれより短くても一定期間にわたって活用されていない家屋や建物であれば空き家と見なされることもあります。
空き家を放置するリスク
空き家をそのまま放置することでさまざまなリスクやトラブルが心配されます。
例えば台風や地震等の災害で倒壊の危険や恐れがあったり、害虫・害獣の棲み処となったり、放火や犯罪のリスク、景観を損なう等、周辺の住民に大きな迷惑をかけ悪影響が及ぶ可能性が高くなります。
また、いくつかの条件に当てはまる空き家については「特定空き家」に指定され、速やかに解体しなければならないのですが、それでも応じず放置すると行政代執行が行われます。
行政代執行とは行政が解体を行い、工事にかかった費用を空き家の所有者に請求することです。
結局費用の負担をするのであれば、行政代執行が行われる前に空き家の所有者はできれば自身の意思で解体することをおすすめします。
空き家を解体するデメリット
以上のように空き家となった物件は早く解体した方が良いと言われ、解体すればそれぞれの問題が解消されるメリットがありますが、実はいくつかのデメリットもあります。
以下、デメリットを紹介しますので、それを踏まえた上で対応方法を判断しましょう。
空き家の解体は高額な費用がかかる
空き家の大きさや建物の状態、立地等によって異なりますが、解体するには当然費用がかかります。
また、古い建物でアスベスト等の有害物質が使用されている場合は特別な処理が必要となるため、一般的な建物の解体と比較して約2倍程度の費用がかかってきます。
実際、この解体にかかる費用の工面が難しいため空き家を放置している所有者も多くいます。
税金の問題
空き家を所有していることで条件を満たせば固定資産税や都市計画税といった税金の軽減措置を受けられることがあります。建物を解体すればその措置は当然受けられなくなるため、更地として残った土地にかかる税金は解体前よりも高くなりますし、解体後も引き続き課されるという点はデメリットと言えます。
固定資産税では最大で6倍、おおむね4倍程度高くなると言われています。
思い出がなくなる
親が亡くなって実家を相続したものの自分の家を既に持っていたり遠方に住んでいて結局実家が空き家となってしまうケースは多く見られます。
維持管理には手間や費用もかかり家じまいを検討するも、小さな頃から家族と暮らした思い出の家を処分することに躊躇し、解体に踏み切れないという声も多く聞かれます。
建物を残した方が売れることがある
日本では古くなった建物にはほとんど資産としての価値がなくなり、土地は変わらず価値が残るため建物をあらかじめ解体して更地にした方が売れやすくなる傾向にあります。
しかし今は古民家をリノベーションして暮らすことを希望している人が増えていたり、土地によっては再建築不可のため建物付きの土地を希望されている人もいます。そのため、解体せずに残した方が買い手の需要があるというケースも意外と多くあります。
空き家の解体にかかる費用の相場
空き家の解体で最も気になるのが「解体にいくらかかるのか」という点でしょう。これは建物の種類や規模、構造、状況、建っているエリア等の条件によっても異なります。
例えば木造の住宅であれば1坪あたり4~5万円、鉄骨造で1坪あたり6~7万円、鉄筋コンクリート造であれば1坪あたり7~8万円が相場です。
30坪程度の一般的な木造の一戸建てであれば、解体費用は120~180万円ほどが目安となってきます。
また、解体する現場となる場所が学校に近かったり家が密集しているような住宅街の場合、防音等の対策が必要なためコストが高い傾向にあります。
また、上記で説明したアスベスト等の有害物質が使われていたり、前面の道路の幅員が4m以下で車両が入れない場合、狭くて重機が使えないといった場合も特別な対処や作業が発生するため金額が上がる大きい要因となります。
空き家を解体するデメリットの対処法
それではこれらのデメリットを解決するための方法を紹介していきましょう。
空き家の解体には補助金や助成金を活用する
空き家の解体には国からの補助はありませんが、各自治体が補助金や助成金の制度を事業として設けている場合があります。
具体的な事例としては、老朽化し倒壊等の危険がある家屋を撤去するための「老朽危険家屋解体撤去補助金(長野市)」、地域の景観を守るための「都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金(福岡市)」、建て替えをするための「建て替え建設費補助金(大阪市)」等。
費用の関係で解体が出来ないと悩まれている場合は、お住まいの自治体にこういった制度がないかどうか窓口に確認し、条件に合えばぜひ適用することをおすすめします。
また、「空き家解体ローン」という空き家の解体を対象とした金融商品を販売している金融機関もありますので、あわせてご検討してみてはいかがでしょうか。
空き家を解体した後の土地を活用する
空き家を解体してそれで終わり、ではなく、例えば敷地にアパート等を建てて賃貸経営をする、駐車場やコインランドリーにするといった活用の方法もあります。
もちろん、土地を売却することも可能ですが、一時的にではなく将来的に継続して収入を得ていくことが可能となるため、解体や建設に費用がかかっても長期的に見て黒字化させることも出来ます。
空き家を解体せずリノベーションする
空き家を解体することで発生するデメリット(税金、思い出、建物付きの土地の購入の需要)の対策としては、空き家をリノベーションして新たな住宅や店舗として再生させる方法があります。
同じ条件の家を建てるのであれば解体して新築の家を建てるよりも費用が安く済みますし、倒壊や犯罪の温床となることを防ぐ、そして古い建物には今では手にいれにくい貴重な建材を使っていることも多く、それらを活かすことが出来るというメリットもあります。
また思い出のある柱などはそのままに、劣化している部分のみを新しくすることで思い出を残すことも可能です。
空き家のリフォーム・リノベーションは信頼できる業者に相談しましょう
空き家の解体によるデメリットを避けるためリノベーションをすることに決めたら、次は施工を依頼する業者を選ばなくてはなりません。
初めてリノベーションを行うという場合、何を基準に選んだら良いのか分からない方も多いかと思います。
そこでまずは相談する前に、複数のリフォーム会社から見積もりをもらうことから始めましょう。
同じリフォーム・リノベーションの内容でも、会社によって料金は大きく異なる場合があります。
もちろん安ければ良いというわけではありません。
単純に費用の比較をするだけでなく、金額以外にも各会社がどのような材料を使っているのか、施工にかかる期間、空き家や古民家のリノベーションを得意としているか、丁寧に対応してくれるか等の情報も判断する基準になります。
また、相談の段階では見積もりの内容は無料の範囲内でお願いしましょう。
まとめ
空き家は誰も住んでいなくても維持や管理にお金や手間がかかります。それを怠り放置してしまうと、さまざまなトラブルを発生させる要因となってしまいます。
そのため解体を検討する必要がありますが、費用や税金、売却の際にデメリットとなることも。
そこで今回ご紹介したような補助金制度やリノベーションして活用する等の対処方法を知識として持っておくと、解体するにしてもしないにしても空き家をどうするのか決めやすくなるでしょう。
空き家のリノベーションをご検討される際は、どうぞお気軽に当社へご相談いただければと思います。
当サイトでは、他にも古民家再生やリノベーションに関するコラムを投稿しています。
お時間がある時にぜひ合わせてご覧いただければと思います。