新築に和室は本当にいらない?和室のメリット・デメリットを解説します - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

新築に和室は本当にいらない?和室のメリット・デメリットを解説します

新築に和室は本当にいらない?和室のメリット・デメリットを解説します

2024.06.01

これから家を新築で建てる、またはリノベーションしようと考えている人の中には、和室をつくるかどうか悩まれている方が多いのではないでしょうか。
同居する家族に高齢者でもいない限り、現代の暮らしに和室の必要性はあまり感じられないかも知れません。
実際に、最初から「和室はいらない」ということで全室フローリング(洋室)の家を検討している方もいるでしょう。
そこで今回の記事では、自分たちの家に和室が必要かどうか考える際の材料として、改めて和室を設置する目的やメリットやデメリットについて解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、皆さんの家づくりの参考にしていただければと思います。

新築に和室を置く割合は?

新築の家に和室を作った世帯はどれくらいの割合でいるのでしょうか?
住環境研究所が2019年1月に新築の注文住宅を建てた人を対象に実施した「20~40代世帯 間取り実態調査」によると、2010年の時点で「畳のスペースがない」と答えた人の割合は18.8%であったのに対し、2016年には25.3%に増えたという結果が出ています。
つまり、新築に和室を設ける住宅は減少していることが分かりますが、一方で赤ちゃんや小さな子どものいる若い世帯では、子どもを安心して遊ばせられるスペースとして和室を採用するケースが多いということも分かっています。

新築に和室を作るメリット

それでは新築の家に和室を作るメリットを紹介していきます。

落ち着く

和室の畳に使っている主な素材である「い草」には、フィトンチッドという人の心や体をリラックスさせる効果のある成分が含まれています。
特に新築の新しい和室からは強く香りを感じ、部屋にいるだけで落ち着く、癒されるという感覚を得られるでしょう。
実際に畳の香りが大好きという方も少なくありません。
窓を開けて外の風を感じながら畳の上で昼寝をする…想像するだけでも気持ち良いですよね。

性能が高い

畳には吸水性に優れた「い草」や「藁(わら)」が使われています。
そのため、日本の湿度の高い夏は部屋の水分を吸収し涼しく快適に過ごすことができます。
また、逆に湿度が低くなると、含んでいた水分を放出して快適な湿度に保ってくれる機能もあるため、板張りの洋室と比べ乾燥しがちな冬も足元が暖かく感じるでしょう。
他にも畳には消臭や吸音効果もあり、日常生活の中で発生する匂いや足音、落下音等の生活音を和らげてくれるため、小さなお子さんの足音が気になるというご家庭にもおすすめです。

安心、安全

畳は柔らかさと弾力性が適度にあるため、転んだ時にケガをしにくいという点もメリットです。
足に優しく歩いていて疲れにくいため、子育て世帯や高齢者のいるご家庭には和室があると安心感が高いでしょう。
また、和室だとベッドではなく布団を敷いて寝ることができますので、赤ちゃんが寝ている間に落下してしまう心配もありません。

幅広い用途に使える

和室はリビング、食事をするダイニング、寝室、子どもの勉強部屋や遊び場、仏間、客間等、さまざまな用途として使うことが可能で、使い勝手の良さが魅力です。
使い方が限られない和室が家に一つあることで、ライフスタイルや状況、目的に合わせて部屋を気軽に変化させることができるため、汎用性が高くとても便利です。
「普段はあまり使わないけれど来客があった時などいざという時のために和室を用意しておく」という人が多い理由の一つでしょう。

新築に和室を作るデメリット

次に、和室のデメリットについても考えてみようと思います。メリットとデメリットの両方を踏まえた上で、和室を作るかどうかを検討しましょう。

ダニやカビが発生する恐れがある

畳は吸湿性がある点がメリットであると上記でお伝えしましたが、その反面、湿度が高い日が続くとダニやカビが発生しやすい環境となってしまうというデメリットがあります。
特に梅雨の時期にはそのリスクが高くなるため、注意が必要です。
対策としては和室を設置する際、通気性の悪い場所、湿気のこもりやすい場所、日当たりの悪い場所、浴室の近くといった間取りを避けることです。

定期的なメンテナンスが必要

和室は自然素材である畳を使用するため、経年劣化しやすいという特徴があります。
また、和室の襖や障子も傷みやすいため定期的に張り替えが必要となり、全体のメンテナンスに手間と費用がかかるという部分はデメリットと言えます。
ただし、フローリングの床と違って畳は比較的簡単に張り替えることができるため、業者に依頼せず自分たちでDIYすることでコストを抑えることも可能です。
美しく清潔な状態を維持するためには、手間はかかりますが定期的にメンテナンスすることが大切です。

家具を置くと畳が傷みやすい

和室の用途によってはベッドやタンス、机等の重たい家具を置くこともあるでしょう。
するとどうしても畳の特性上、短い時間でも簡単に凹んだり跡や傷がついてしまいます。
また、日が当たることで色褪せもしやすく、家具を置いているところと置いてないところでは色の違いが目立ちます。
これらの理由により、和室を使いにくいと判断してしまう方も多いでしょう。
少しでも予防する方法として、重量が軽かったり、脚付きではなく全体に重量がかかるような家具を選ぶことをおすすめします。

新築でおしゃれ和室を作る際のポイント

せっかく新築で和室を作るのであれば、失敗や後悔することのないよう快適でおしゃれな部屋を作りたいですよね。
そこで抑えたいポイントとアイデアをご紹介していこうと思います。

収納について

和室の収納と言えば「押入れ」ですよね。
押入れは洋室のクローゼットよりも奥行きがあり容量が大きいのでたくさん収納でき、更に天袋や地袋を追加でつけることも可能です。
主に布団を収納する場所として使うことをイメージしますが、布団以外にもアイロンやアイロン台、キャリーケース、アウトドア用品、アルバム、楽器等、しまっておきたい物や隠しておきたい物を入れておく際にも便利なので、何を入れるかある程度しっかり決めてから収納の大きさ等を決めると良いでしょう。

和室のタイプ

最近はリビングに和室を併設する際、段差をつけた小上がりタイプの和室が人気です。
小上がりの下に収納をつくることも可能ですし、椅子やソファの代わりとして腰掛けたり、子どもの遊び場や家事を行うスペースとしても適しています。
小上がり和室であれば広さも3~4畳程度あれば十分なので、部屋のスペースを有効活用することもできます。

デザイン性

畳というと「ザ・和風」な部屋というイメージがあるかと思いますが、最近は和モダンなデザインの和室が人気です。
洋風の家にもマッチする半畳たたみ(琉球畳)を選んだり、壁紙や襖の色や質感にこだわったりすることで、理想の空間を作り上げることができますので、ハウスメーカーや工務店にぜひ相談してみて下さい。

素材

和室のデメリットとしてメンテナンスに手間や費用がかかることを挙げましたが、畳の素材を紙製やポリプロピレン製のものにすることで掃除やメンテナンスが楽になります。
また、これらの畳は断熱性や撥水性が高くダニ、カビが発生しにくいというメリットもあります。
もちろん畳特有の「い草」の香りはしないのですが、他のデメリットが気になる方はこのような素材の畳を採用するというのも一つの選択肢になります。

モデルハウスで和室を体感してみることもおすすめ

新築の家に和室を作るかどうか悩まれている場合は、実際にモデルハウスや完成見学会等に参加して和室を体感してみることもおすすめです。
新しい形の和室の形や畳の種類を知ることもでき、これから和室を計画していく際の参考にもなるでしょう。
また、和室は間取りも重要で、用途によってリビングやキッチンとの距離は離れていた方が良いのか隣接させるか、スタイルも小上がりにするかフラットにするか、もしくは掘りごたつタイプにするか等で使い勝手や印象が大きく異なります。
今だけでなく将来の可能性などもイメージしながら、メーカーやリフォーム会社のプロに相談し、施工事例なども見せてもらうと良いでしょう。

まとめ

新築で一戸建てを建てる、あるいはマンションのリノベーションをする際に和室を作るかどうかは多くの人が悩む傾向にあります。
和室は機能性や汎用性が高く、人の心や体に優しいというメリットがある反面、梅雨の時期のカビやダニ、定期的なメンテナンスが必要になる等の注意点も考慮しなくてはなりません。
しかし、畳だからこそ得られる落ち着きやちょっと横になりたい時にゴロンと出来る空間は洋室では得られない心地よさがあります。
迷われている場合は是非一度、和室を採用したモデルハウスを訪れたりメーカーに相談して資料などを見せてもらい、具体的なイメージを膨らませてみて下さい。
このサイトでは他にも、古民家のリノベーションや住まいづくりに関連する情報を発信しております。
ぜひ合わせてご覧いただければ幸いです。