古民家再生のデメリット知ることでリノベーションの失敗を防ぐ!
古民家再生のデメリット知ることでリノベーションの失敗を防ぐ!
2024.03.08
日本の伝統と歴史の残る今は使われていない空き家の古民家をリノベーションし、新たに住まいや店舗として再生する方が近年増えています。
古き良き日本家屋である古民家にはさまざまなメリットがありますが、これから実家の古民家を相続、あるいは田舎へ移住を希望し古民家の購入を検討している方は古民家再生のデメリットや後悔するポイントを前もって知っておくことで防ぐことが出来るでしょう。
そこで今回の記事では、古民家再生のデメリットを中心に解説します。
古民家再生を反対するのではなく「成功させるため」の情報ですので、古民家のリノベーションをお考えの皆様はぜひ最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。
古民家再生の主なデメリット
耐震、断熱の機能面が劣る
築年数の古い古民家が建てられた時代というのは、今のように耐震や断熱を意識した造りになっていません。
当然現在の耐震基準には準じていないため、地震の多い日本で安心・安全に暮らすために古民家をリノベーションする時には耐震工事を行う必要があります。
断熱に関しては古民家は天井の高さや間取りの広さは風通しが良くそれが魅力や特徴でもあり、夏は比較的快適に過ごすことが可能です。一方で隙間が多く機密性や省エネ性能がないため冬の寒さが厳しく、暖房が効きにくく電気代も高くなる傾向にあります。
リノベーション費用が高額になることがある
古民家は建物の価格は非常に安く購入することが可能ですが、状態によってはリノベーションにかかる費用が新築で家を建てる以上に高くなってしまうケースもあります。
上記のように耐震や断熱の補強、キッチンやトイレ、風呂、洗面台等の水回りの設備といった大規模な工事が必要となり、状況によっては屋根や基礎、土台といった大きな範囲まで及ぶためです。
「家を建てるコストを抑えるために古民家を選んだのに新築や一般的な中古住宅をリノベーションするのとかかった金額が変わらなかった」という声は少なくないため、それを踏まえた上で余裕を持った予算の準備をし、物件選びやリノベーションの内容、範囲も慎重に決める必要があります。
また、国や自治体によって古民家のリノベーションには条件が合う人に向け、補助金や助成金といった制度を設けているところもあり、対象の場合は活用すると大幅にお金の面で支援を受けることが出来ますのでホームページや窓口で確認することをおすすめします。
立地が不便
古民家があるエリアは基本的に地方の田舎であることが多く、実際に引っ越し後、不便を感じ生活がしにくいと感じたり、田舎特有のご近所付き合いにストレスを抱えたりといった問題に悩まされることもあります。
田舎の自然が豊かな環境で暮らしたい、と希望されている場合は逆にメリットとなる点ですが、物件探しの際は建物だけではなくその土地や地域の習慣や買い物、病院、学校などの周辺の環境、交通手段などをよく調査して選ぶようにしましょう。
古民家再生を行える業者が少ない
家のリフォームを専門に扱う業者はたくさんありますが、プロのリフォーム会社であってもすべての会社が古民家のリフォームに対応できるというわけではありません。
というのも、古民家は現代の建物と建築方法も使用している木材や建材も異なり、古民家に関する知識や施工の実績が豊富でないと要望通りの仕上がりにすることは難しいのです。
部分的なリノベーションなら可能だが建物全体のフルリノベーションの依頼は出来ないといったケースもあります。
そのため、古民家再生を成功させるためには古民家のリフォームの経験が多い信頼できる会社を探すことが重要なポイントとなるのです。
見積もりをもらう際に、これまで手がけた古民家再生の実例写真などを見せてもらい、自分たちの理想のイメージに合った施工をしてもらえそうかチェックしましょう。
古民家再生で後悔!3つの事例とそれぞれの対策
想像以上に建物が劣化していた
目に見える箇所や範囲では分からなかったが、施工や解体をはじめて思った以上に老朽化が進んでいた、という可能性もあります。
特に天井裏や床下、水道管などのインフラは外からは分からないため注意しなければなりません。
リノベーションを進める内にこのようなことが発覚していくと、追加で工事が必要となり費用の面だけでなく完了までの期間もどんどん延びてしまい実際に暮らせるのがいつになるか分からない、といった状況にも陥りかねません。
古民家を購入する際はあらかじめ、その辺もしっかりチェックしてから検討しましょう。
広すぎて手入れが大変だった
都会の狭い賃貸マンションではなく広い一軒家に住むため、田舎へ引越してあえて古民家を選んだという方も多く、「大きな敷地に広々した空間の家」という夢が実現したもの、実際に住んでみると室内の掃除はもちろん庭の手入れにも手間と時間を費やさなければならなくなり、毎日大変な思いをしているという声も少なくありません。
小さな子どもやペットにとっては走り回れる古民家はとても楽しく最高の場所かも知れませんが、親は大変かも知れませんね。
そのため、リノベーションで掃除をしやすいように工夫することが大切です。
例えば、段差をなくすと掃除機やロボット掃除機をかけやすくなる他、バリアフリーとなって家族にお子さんや高齢者がいる場合も安全ですし、自分たちの老後にも良いでしょう。
また、昔の家はコンセントの数が少ないことが多いため、どこの部屋でも掃除機がかけられるようコンセントを増やすことも忘れないようにしましょう。
予算をオーバーし理想の家づくりを断念
古民家再生のデメリットの部分でも紹介しましたが、古民家のリノベーションは高額になるケースがあり、予算オーバーで中途半端にリノベを終わらせることになってしまって後悔しているという人もいらっしゃいます。
上二つの後悔ポイントのように、想像以上に老朽化が進んでいたり、建物の面積が大きいため改修しなければならない箇所が多いなどが予算オーバーの主な理由。
相場や工事費用の目安を調べたり、施工会社とよく相談しながら、予算内でおさまるような設計やデザインを慎重にプランすることがとても大切です。
また、少しでも工事費を安くするために既存の柱や梁、建具、部材などそのまま使える状態のものは再利用したり、壁や床、内装のリフォームはDIYを取り入れてみると良いでしょう。
長い年月が経過した木造の古民家ならではの趣や風情、雰囲気や味わいを残し、逆におしゃれでこだわりを感じるインテリアを作ることが出来ますよ。
まとめ
以上のように古民家再生には耐震性や断熱性といった面が弱く、耐震診断をしっかり受け構造の強度を上げたり、寒い冬を暖かく過ごせるよう対策が必要なこと、意外と高いリノベーション費用がかかるため、しっかりと計算しながら予算オーバーにならないように気を付けること、自然豊かな環境や広い家に住める反面、手入れが大変であったり利用できる交通手段やサービスが限られる可能性が高いため、自分たちのライフスタイルを考慮し暮らせる環境かどうかを見極める必要があること、古民家再生を請負える業者が限られていること等のデメリットと言える注意点があります。
特に古民家再生の成功を左右する予算と業者選びについては慎重に検討するようにしましょう。
とはいえ、ここで挙げたデメリットや後悔しやすいポイントを事前に知って意識しながら対策をしっかりとっていれば、不安を払拭し新築や現代の一般的な中古の住宅のリフォームでは得られない理想的な家と環境の中に住み、古民家再生によるたくさんのメリットを享受することが出来るでしょう。
ヒノキやケヤキ等の自然素材で造られた体に優しい建物と、高い天井や広い土間などの開放的な空間、歴史的にも価値の高い資産である古民家の再生を、家づくりの選択肢の一つに加え、ぜひ検討していただければと思います。
当サイトでは、ほかにも古民家再生やリフォームに関連するさまざまなコラムを掲載しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。