民泊のリノベーションで必要なことは?知っておきたい知識や注意点も解説
民泊のリノベーションで必要なことは?知っておきたい知識や注意点も解説
2024.05.06
空き家となっている古民家等の建物をリノベーションし、民泊の開業を考えている方が増えています。
一時期はコロナウイルス流行の影響で閉業する宿泊施設が多かったのですが、最近、再び日本の国内旅行者や海外からの観光客が増え始めたことで宿泊施設が足りない状況となっていることで、民泊の需要が非常に高まっているのです。
そこで今回の記事では、これを機会に新たに民泊の事業に参入を検討している方に向け、空き家から民泊の施設にリノベーションする際に知っておきたいこと、必要なもの、注意点などについて解説してまいります。
最後までご覧いただき、これから民泊を始めようとしている皆様の参考になればと思います。
民泊を始めるには物件のリノベーションが必要です
戸建てにしろ集合住宅にしろ既存の中古物件を購入して民泊を始めるには、民泊向けにリノベーションをしなければなりません。
利用してもらいたいと思わせる内装やインテリア、デザインといった空間づくりはもちろんのこと、構造や間取りを自治体の条例や建築基準法、消防法といった法律に適合させることも重要です。
民泊へリノベーションする前に知っておくべきこと
民泊とは空き家や空き部屋、空き室などを提供して有料で宿泊するもので、2008年頃、Airbnbを代表とする主に外国人観光客向けに宿泊用の物件を貸し出すサービスが日本でも人気となり一気に広まりました。
そして新型コロナウイルスの流行により一気に減ってしまった宿泊施設が観光客が戻ってきた今、逆に不足している状況になったこと、そして日本全国で問題となっている空き家の増加を解消するためにリノベーションして民泊として再生する人が増え、再び民泊ブームが到来している現状にあります。
また、民泊を始めるのなら必ず知っておかなければならないものが「民泊新法」です。
民泊新法は2017年6月に施行された法律で、ホテルや旅館などの従来の旅館業法よりも制限が少なく、手続きも簡単に民泊を開業、運営できるようになりました。
民泊新法の特徴として、適用される建物が「住宅」である点があります。これまでは一般的な住宅では設備や立地等の条件を満たすことができず、違法で運営されているケースが多かったのですが、新法では年間の営業日数の上限が最大で180日(特区民泊は除く)といったルールを満たせば合法的に運営することが可能となりました。
ただし、この営業日数の規制により年間を通して営業することが出来なくなるため、営業しない期間の収益を確保しておかなければならないことに注意しましょう。
他の要件として、住民票がある等生活の本拠として使用されている住宅であること、賃貸物件など入居者の募集が行われている住宅であること、マンションの場合は管理規約で民泊営業が認められていること、個人宅の場合は簡易宿泊業用による用途変更やスプリンクラーの設置、トイレや洗面等の増設等も必要になります。
年間を通して営業をしたい場合には、旅館業法の旅館営業や簡易宿所営業の許可を取得するための申請が必要となります。
その他、騒音やゴミの廃棄など、地域の方とのトラブルを防止するためにもしっかり対策・対応を取ることも大切です。
民泊へリノベーションする場合の工事内容
民泊のリノベーションは「宿泊したい」と思わせる物件を作らなくてはなりません。
予算によってもリノベーションやリフォームが出来る範囲やレベルは異なりますが、まず絶対に行いたい工事は壁紙と床材を新しくすること、そして外国人に合わせてトイレ等の水回りを広くし、ベッドを数台置くことが出来るスペースを作ることです。
日本の家を体験したい方に向けてあえてお風呂を檜などの和風にしたり、畳の部屋にすることも民泊のコンセプトによってはおすすめです。
スケルトンの物件を購入すると何から何まで設置や購入が必要となるため、費用を安く抑えるには既にある程度の設備が設置されている物件を選ぶことをおすすめします。
民泊に必要な家具や家電は?
民泊にはまずフライパンや鍋、お皿といった基本的な調理器具や食器を揃えておきましょう。他にもキッチンには冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器、浄水器、コーヒーメーカーも必要です。
ダイニングでは食事が出来るようなテーブルと椅子、リビングにはテレビ、エアコンの他にリラックスできるソファー、テーブル、フローリングならカーペットも敷くと良いでしょう。
他に洗濯機や洗面台、ドライヤー、鏡、照明等も必要です。
民泊へリノベーションする際の注意点
民泊を始めるにあたり何をリノベーションするのか、費用はどれくらいかかるのかという知識を得ておくことはもちろん大切です。
しかしそれ以上に重視したいのは、リノベーションの費用だけでなく物件の購入費などを含めた初期費用を回収するプランをしっかりと作成すること、そして民泊のコンセプトを明確化し法律や条例を確認してそれらに則した部屋づくりを行うことを忘れないようにしましょう。
特に経営が成功するかどうかは初期費用を家賃でどれだけ早く回収できるかが鍵となります。
また、リノベーションの後に収益を上げるためには自身の物件の魅力や利用するメリットを活用できるようマーケティングを行い、実際に必要な間取りや設備を決めていきます。
長期滞在向けにするのか短期滞在向けにするかによっても変わってきますので、リノベーションの段階でこの点も方向性を決めておきましょう。
民泊のリノベーションを依頼する業者の選び方
民泊のリノベーションを依頼する業者は、できるだけ民泊リノベーションを専門に扱っている業者に相談することをおすすめします。
というのも、このような会社であれば単純にリノベーション工事を行うだけでなく、どうすれば民泊として使いやすい、利用したいと思わせる部屋を作ることが出来るのかを相談しやすく、イメージだけでなく具体的な事例を交えてアイディアや情報を提案してもらえる可能性が高いためです。
民泊の事業に初めて参入し、不動産についても知識が乏しいオーナーの場合は特に一人で考えるのは難しいため、ぜひ経験と実績が豊富なリノベーション業者を選ぶようにしましょう。
また、一社だけで決めてしまわず費用や工事の方法について複数社から見積もりを取り、それぞれ比較することも重要です。
まとめ
2024年現在、再び需要が高まっている民泊。同じように新たに参入を考えているライバルも多くなっています。
その中で自分の物件に予約をしてもらうためには、まずは安心して運営し利用してもらえるよう法律や条例に則した設備を整え営業していくこと。そして利用者の方が快適に満足してもらえるように専門業者と相談してリノベーションを行うことが重要です。
特に不特定多数の人が利用する時のリスクを減らすために衛生面や防音、防火対策はしっかりとしておきたいところ。
今回紹介した記事以外にも、本サイトではリノベーションに関連するコラムを発信しておりますので、どうぞ合わせてご覧いただければと思います。