古民家再生の間取りのポイントは? - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

古民家再生の間取りのポイントは?

古民家再生の間取りのポイントは?

2023.10.18

住宅を購入する時に新築にするか中古にするか多くの方が悩まれるかと思いますが、最近は空き家を購入してリフォーム・リノベーションを行うという方法が非常に人気です。
中でも古民家には建物自体の価値があり、そのまま空き家として放置や解体をしてしまうにはもったいない建物が多く存在しています。
そこで注目されている「古民家再生」。
必要な手を加えて住まいとしてはもちろん、店舗やホテル等に活用する自治体も増えています。
今回の記事では、古民家再生の際に悩みの種となる「間取り」の問題を中心に解説してまいります。
どうぞ最後までご覧ください。

古民家再生の間取り変更には制限がある

中古住宅や空き家は購入する際の費用を安く抑えることができ、その分リフォームにお金をかけて暮らしやすいよう設備や間取り等を変更することが可能です。
しかし古民家の場合、間取り変更を伴う大規模修繕や増築において建築基準法など法令上の制限を受けることが多く、必要機関の検査を経て許可を受ける必要が出てきます。
また、築年数の古い物件になりますから耐震性についても考慮して考えなければなりません。
という訳で購入したからといって好きなように改修できる訳ではなく、建蔽率や容積率、材質や構造など法律に適合するよう設計しなければならないことを注意しましょう。

古民家の間取りの特徴と変更ポイント

上記のように自由度の高い一般的な住宅と違い、古民家再生の場合は様々な制限がかかります。
中でも古民家といえば柱や梁、床の間の存在。これらはリノベーションで移動や撤去させることが出来ず、間取りを設計する上で重要なポイントとなってきます。
柱や壁をそのままにしながら新しい間取りを考えるということはなかなか難しく、採光や風の通りなども考慮して玄関や窓など建具の位置なども含め空間をパズルのように組み立てていかなくてはならないでしょう。
また、土間や畳が田の字に配置された和室、縁側、離れた場所にあるトイレ、風呂、キッチン…等は古民家の間取りの大きな特徴です。
現代の暮らしに合わせた間取りを考えた際、少なくとも水回りの設備や設置する位置については大幅な変更が必要となってきます。
また、古民家は断熱材が使用されていない、ガラスが単板、経年劣化による屋根、外壁の歪みや隙間などの理由から寒さ対策も立地によっては必須となります。
間取りを考える上で大切なこと。それはそこに住む、利用する人が快適に過ごせるよう設計することです。
そのためには単純にここは誰の部屋、何をする部屋、と決めるだけでなく、暮らしやすい動線、収納、構造を想像し、次に10年後、20年後、30年後の家族の構成や誰がどんな生活をしているのかといった事まで長く具体的に想定しプランを考えていく必要があります。
ここを基本に施工業者や設計士等に相談し、何度も打ち合わせを繰り返して図面を完成させていくことが大切です。

古民家再生の間取り変更事例

古民家の高い建築技術や赴きのある雰囲気を残しながら快適に暮らすための事例を部分的に紹介します。

・土間をフローリングに張り替え
広い土間がある場合、その一部をフローリングに張り替えることで居室と居室の間、更にリビングへの移動を靴を履き替えずに行うことが出来るようになります。
また、台所と居室の間に土間がある場合は床をつなげることで大きくゆったりしたLDKを作ることが可能です。
採用する木材を何にするか等でも違う雰囲気を楽しむことができるでしょう。

・二世帯住宅
平屋である古民家は玄関を複数設けやすく、二世帯で暮らす場合もそれぞれのプライベートな間取りを作りやすいというメリットがあります。
また、母屋と離れがあって世帯ごとに住む場合、つながった廊下を設置することで冬場でも外に出ずに行き来することが出来ます。

・バリアフリー
古民家の土間と居室の間には段差があるケースが少なくありません。
高齢者の利用や老後のことを考え、土間とば別にバリアフリーの玄関を作ったり、スペースの広い古民家ではトイレの数を増やすことで小さな子どもから高齢者まで暮らしやすくなるでしょう。

まとめ

古民家再生の間取り変更には法令上の規制や移動、撤去することが出来ない部分など考慮しなければならない点も多いですが、日本の職人の高度な技術が用いられた建物ですから雰囲気を残し現代の生活にも合うように工務店や設計士、建築士と相談しながら間取りを工夫することも楽しみの一つになるかと思います。