地震による罹災証明書の判定基準とは?申請手順や活用方法を徹底解説 - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

地震による罹災証明書の判定基準とは?申請手順や活用方法を徹底解説

地震による罹災証明書の判定基準とは?申請手順や活用方法を徹底解説

2024.09.10

地震が発生すると、被災した建物や財産の損害状況を証明する「罹災証明書」が重要になります。罹災証明書は、被災者が公的支援や保険金の申請を行う際に必要不可欠な書類であり、住家の認定基準に基づき自治体によって発行されます。しかし、罹災証明書の発行に関する「判定基準」や「申請手順」について、正確に理解している方は少ないかもしれません。この記事では、最新の情報に基づいて、地震罹災証明書の判定基準や申請の流れ、証明書の活用方法を詳しく解説します。ぜひ参考にしていただければと思います。

罹災証明書とは?

罹災証明書は、地震や台風等の自然災害によって被害を受けた建物や家財について、自治体がその被害状況を調査し、証明する書類です。この証明書は、被災者が災害支援金や各種補助金、税金の減免、住宅再建支援等を受けるために必要不可欠です。
詳細は内閣府から出されている運用指針をご確認ください。

罹災証明書の役割

罹災証明書は、次のような公的支援や補助金の申請時に活用されます。

・災害見舞金・義援金の受給
・生活再建支援金の申請
・各種税制優遇措置(固定資産税や住民税の減免)
・住宅ローンの支払猶予
・保険金の請求
また、罹災証明書は災害後の生活再建に大きく関わるため、迅速かつ正確に取得することが重要です。

罹災証明書の判定基準

判定基準の概要

罹災証明書の判定基準は、被害の規模や程度によって決定されます。判定は、自治体の職員や専門家によって行われ、被災した家屋や建物の被害状況を目視調査し、その損壊の度合いに応じて証明の内容が決まり認定されます。
近年の災害支援における柔軟な対応として、2021年の法改正後には「中規模半壊」という新しい判定基準が追加され、より細かな判定が行われるようになりました。

被害判定の認定基準は、以下の5つの区分に分類されます。

全壊: 建物が完全に倒壊し、住むことができない状態。
大規模半壊: 建物の主要部分が大きく損傷し、修理には大規模な工事が必要である状態。
中規模半壊: 住むことはできるが、住宅の約30%以上の割合が損壊している状態で、修繕にはかなりの費用が係る状態。
半壊: 建物の一部が損壊し、修繕は必要だが住むことは可能な状態。
一部損壊: 建物の一部に損害があるが、住居としての機能は保持されている状態。

地震による具体的な被害判定

地震による被害の判定は、主に建物の倒壊具合や破損の程度、屋根や壁の損壊状況などが評価基準となります。例えば、柱や基礎部分に大きな亀裂が入った場合や、地盤沈下によって建物の傾きが顕著な場合は、大規模半壊または中規模半壊と判定されることがあります。一方で、外壁にひび割れが見られる程度で、内部に大きな損傷がない場合は一部損壊に該当します。

「中規模半壊」は新しい判定基準ですが、これは特に住宅の内部にかなりの修繕が必要なケースに適用されます。多くの場合、中規模半壊は住居としての安全性が保たれているものの、構造上の重要部分に損傷があり、早急な修繕が求められるケースに分類されます。

判定基準の変更とその背景

「中規模半壊」の導入背景には、地震や豪雨災害において、従来の「全壊」や「半壊」の区分では支援が不十分であるという課題がありました。これにより、被災者の生活再建支援をより迅速に行うことが可能となり、支援の範囲が拡大されています。

罹災証明書の申請手順

罹災証明書の取得には、いくつかの手順を踏む必要があります。下記に、その流れを詳しく解説します。

申請のタイミング

地震による被害が発生した場合、できるだけ早く罹災証明書の申請を行うことが重要です。特に、大規模な災害では申請が殺到するため、早期の申請がスムーズな対応につながります。

申請方法

罹災証明書の申請は、以下の方法で行うことが一般的です。

自治体窓口での申請: 被災者が自治体の窓口に出向き、申請書類を提出します。申請時には、被害状況の写真や被災した建物の情報を持参することが推奨されます。
オンライン申請: 一部の自治体では、オンラインでの申請が可能です。自治体のホームページトから申請フォームにアクセスし、必要事項を入力します。

罹災証明書を申請する際に必要な書類は、自治体によって多少異なる場合がありますが、一般的に以下の書類が必要です。

・罹災証明書申請書
概要: 罹災証明書の申請にあたって、必要事項を記入する申請書です。自治体の窓口またはウェブサイトからダウンロードして取得可能です。
記載内容: 申請者の名前、住所、被災した物件の住所や被害の概要、連絡先などを記載します。

・被害状況の写真
概要: 建物や家財の被害状況を証明するための写真です。これにより被害の具体的な状況を説明しやすくなります。
撮影のポイント: 外観や内部の損壊箇所、ひび割れや倒壊部分を撮影し、できるだけ多角的な写真を用意するのが望ましいです。

・本人確認書類
概要: 申請者本人であることを証明するための書類です。
例: 運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証、パスポートなど。自治体によっては、2点の提出が求められる場合があります。

・被災した建物の権利を証明する書類
概要: 被災した建物が申請者の所有物であることを証明する書類です。所有者であることを確認するために提出が求められます。
例: 登記簿謄本や固定資産税納税通知書、賃貸物件の場合は賃貸契約書など。

・委任状(必要な場合)
概要: 代理人が申請を行う場合に必要です。家族や第三者に代理申請を依頼する場合に提出します。
例: 家族以外の代理人が手続きをする場合や、代理人が現地調査に立ち会う場合に必要となることがあります。

・罹災場所の地図や位置図
概要: 被災した場所の位置を示すための地図や位置図です。被害箇所の確認をスムーズにするために提出を求められることがあります。
提供方法: 自治体から指定された地図のコピーに記入したり、オンライン申請の場合はデジタルマップに情報を入力する形式です。

・建物の図面(任意)
概要: 申請者が建物の図面を持っている場合、提出すると調査がより円滑に進むことがあります。必須ではありませんが、提出すると有利になるケースもあります。

調査・判定

申請が受理されると、自治体の職員や専門家が現地調査を行います。調査では、建物の外観や内部を確認し、損害の程度を評価します。この評価に基づいて罹災証明書の内容が決定されます。

証明書の発行

調査結果がまとまると、自治体から罹災証明書が発行されます。通常、申請から発行までは数週間から1ヶ月程度かかることが多いですが、大規模災害時にはさらに時間がかかる場合があります。発行された証明書は、各種申請に使用します。

罹災証明書の活用方法

罹災証明書を取得した後は、これを活用して様々な支援を受けることが可能です。主な活用方法について説明します。

災害支援金や保険金の申請

罹災証明書は、災害見舞金や保険金の請求に必要です。多くの場合、罹災証明書の被害判定に基づいて支給額が決定されます。例えば、全壊の場合は高額の支援金が支給される一方で、一部損壊の場合は支援金額が少額にとどまることがあります。

税金の減免や猶予

罹災証明書は、税金の減免や支払猶予の申請にも使用されます。特に、固定資産税や住民税の減免措置が適用されるため、経済的負担の軽減に役立ちます。

住宅再建や修繕費用の補助

罹災証明書を持っていると、被災住宅の修繕や再建費用の一部が補助されるケースもあります。特に、全壊や大規模半壊と判定された場合には、住宅再建支援金が提供されることが多いです。また、中規模半壊の場合でも、修繕費用に対する補助が受けられるケースがあります。

まとめ

以上のように地震による罹災証明書は、被災後の生活再建に向けて非常に重要な役割を果たします。判定基準は被害の規模や程度に基づいて決定され、特に「中規模半壊」の導入により、支援がより柔軟になりました。罹災証明書があることで災害支援金や保険金、税制優遇措置など、多くの支援を受けることが可能になります。被災した際には、速やかに罹災証明書を申請し、必要な手続きを進めることが、今後の生活を立て直すための第一歩となります。
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