空き家で民泊をするメリットは?注意点と手順も解説 - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

空き家で民泊をするメリットは?注意点と手順も解説

空き家で民泊をするメリットは?注意点と手順も解説

2024.04.05

「相続で実家の空き家を取得したけど取り壊すのはもったいない。何かに活用できないか?」
「空き家を利用して民泊のビジネスを始めることはできる?」
このようにお考えの方はいらっしゃいませんか?
新型コロナの影響によりいなくなってしまった外国人観光客の数も最近またようやく増えてきましたが、コロナ禍で宿泊施設も減ってしまい現在は不足している状態です。
その問題を解消することを目的に2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、一般の住宅を宿泊施設として提供できるようになり民泊を営業しやすくなったことから、空き家を有効活用し、全国で増加し続ける空き家問題の解決策としても期待が高まっています。
そこで今回の記事では、空き家を民泊に活用することのメリット、そして事前に知っておきたいデメリットについても合わせて解説します。
どうぞ最後までご覧いただき、空き家の有効活用を考えている皆様に向け参考になればと思います。

民泊って何?

空き家を民泊にする前に、まず知っておきたい民泊の概要を説明します。
民泊とは、個人が所有している住宅(一戸建てやマンション等の集合住宅)の一部または一棟全部を宿泊施設として有償で提供するサービスを言います。
民泊新法が施行される前は、不特定多数の第三者に対し宿泊場所を提供する際「旅館業法」の許可が必要だったため、中には許可を取らずに違法営業をしている施設もあり問題となっていました。
しかし民泊新法が制定されたことで簡易宿所よりも条件が緩和され、合法的に営業しやすくなり、空き家を活用して民泊ビジネスをスタートさせる人が増えています。
また、民泊には実際にまだ人が住んでいる自宅の一部を貸し出す「家主居住型」と、空き家となっている建物を貸し出す「家主不在型」の2つの種類があります。

空き家を民泊にするメリット

それでは空き家を民泊にすることでどのようなメリットがあるのでしょうか。主に考えられる具体的なものを以下に紹介してまいります。

空き家を民泊にするメリット1.収入が得られる

空き家を民泊施設として活用するメリットとしてまず挙げられるのは収入が得られるという点でしょう。
空き家は住んでいなくても修繕や管理するための維持費、固定資産税、都市計画税等の税金がかかり続けるため、お金の支払いが発生します。
しかし民泊として活用すれば宿泊料を利用者から得られるようになるため、最大のメリットと言えるでしょう。

空き家を民泊にするメリット2.空き家を有効活用できる

空き家を放置するとその分だけ築年数が経過し資産価値が減少し、家の劣化は酷くなる一方です。
しかし民泊に転用できると人の出入りが生まれ、老朽化の進行を抑えることが可能となります。
賃貸物件として人に貸し出すという選択肢もありますが、もし将来的には自分が住むことを視野に入れていたり売却を考えているのであれば民泊にする方が制約がなくおすすめです。

空き家を民泊にするメリット3.初期投資が安い

空き家を民泊にする場合、新たに物件を購入する場合と比べて少ない初期投資で始められることもメリットでしょう。
もちろん空き家でもある程度のリフォームが必要ですので費用はかかります。しかし土地を取得したり建物を新築することと比較すると圧倒的に費用を安く抑えることが可能です。

空き家を民泊にするメリット4.運営にかかる手間が少ない

民泊はほとんどがセルフサービスで利用客が自分たちで自由に滞在するため、ホテルや旅館のようにスタッフが常駐しルームサービスや料理を提供する必要がありません。
必要な調理器具や食器、洗濯機、アメニティ等を準備し宿泊客のチェックアウト後に掃除をすれば良いので、宿泊施設の割に少ない手間で運営することが出来る点もメリットでしょう。

空き家を民泊にするメリット5.資産価値の保護

空き家を民泊に活用することは、建物の資産価値の維持や向上にもつながります。
誰も住まなくなった住居というのは劣化が進み、価値も下がります。
しかし民泊施設にすることで収益を生むことが出来るため価値も大きく向上しますし、売却をする場合にもそれ以前と比べて高値がつく可能性があるのです。

空き家を民泊にするデメリット

以上は空き家を民泊にすることで得ることが出来るメリットについて紹介してきましたが、注意していただきたいデメリットというのもいくつかあるのです。
デメリットもしっかり把握しておくことでリスクを回避し、ビジネスの成功へとつながるのです。

空き家を民泊にするデメリット1.営業できる日数に上限がある

先述したように民泊は旅館業法の許可は不要であり、都道府県知事に届出をおこなうことで開業することができます。
そのため、規制や手続きに時間のかかる宿泊施設よりも民泊の方がメリットが大きいと感じるでしょう。
しかし注意点として民泊新法にて許可を取得し民泊を営業する場合、実は稼働できる営業日数が限られるというデメリットがあります。
具体的には年間の最大営業日数は180日と定められており、1年の半分は営業ができないという計算になります。
そのため、収入と運営にかかるコストが見合わないといったケースも考えられるのです。
稼働率を上げるために、外国人が多く訪れる海外の祝日や大型連休も考慮して営業したり、宿泊施設として営業できない期間はレンタルスペースやイベントスペース、ウィークリーマンション等として貸し出す等、戦略を検討する必要があります。

空き家を民泊にするデメリット2.収入が安定する確約はない

民泊に限った話ではありませんが、民泊を始めれば必ず利用されるというわけではありません。安定して収入が得られるという保証はないのです。
少しでも利用客を確保したいのであれば、やはり立地を十分に検討し場所を決めることが重要です。
例えば観光地に近いこと、交通の便が良いこと、近隣に便利な施設があること、空港やターミナル駅が近いこと等です。
これらの要素がないと、よほどの魅力や工夫がないと継続して利用者を確保することは難しいでしょう。

空き家を民泊にするデメリット3.利用者や近隣住民とのトラブル

民泊でよく問題になるのが、利用者や近隣の住民とのトラブルです。
特に外国人観光客が利用する場合、日本とは違う文化や生活習慣を持っていることからトラブルが発生しやすくなります。
深夜に大声や大音量を出して騒いだり、ゴミの処理や設備の使用方法などを巡って周辺に迷惑をかけてしまう事例も少なくありません。
これらを防ぐためには、利用規約にしっかりとルールを記載して理解してもらうことが大切です。
言葉の違いもありますから、最低でも利用者の多そうな日本語と英語、中国語、韓国語で表記した規約を準備しておきましょう。

空き家で民泊を開始する手順

空き家で民泊を始めるのは意外と気軽にできそうな印象を受けたかと思いますが、スムーズに進めるためには手順があります。
そこで次に空き家で民泊をスタートさせるための流れと内容を紹介してまいりますので、確認していきましょう。

1.民泊の形態を決める
民泊とひと言で言っても、実は「住宅宿泊事業法による民泊」「旅館業法による民泊」「特区民泊」の3つに分けられます。
一つずつ説明していきましょう。

<住宅宿泊事業法による民泊>
これは民泊新法が制定されたことで認められるようになった形で、開業する自治体の知事に届出を行うだけで簡単に民泊を開始できる方法です。
基本的に通常の住宅に備わっている設備(トイレ、浴室、洗面など)があれば良く、先述したように年間180日以内の営業が可能となっています。
家主不在型で営業する場合は、住宅宿泊管理業者に管理業務を委託しなければならないことは忘れないようにしましょう。

<旅館業法による民泊>
これは都道府県知事に営業許可を得る必要がある方法で、届出のみで済む民泊新法とは異なり少し手間がかかります。
旅館業法では営業日数の上限がないため一年中営業することが可能になりますが、一方で営業が可能な地域が限られたり、設備や居室の面積が建築基準法や消防法等の制限を受けることになるため、立地選びや規制に沿ったリノベーションを行う必要があります。

<特区民泊>
これは旅館業法が適用されず、「国家戦略特別区域」に指定された区域に該当する自治体で、条例を定めた場合のみ運営が可能になるというものです。
特区の場合、2泊3日以上滞在しなければならないといったような下限が設けられていたりとそれぞれの自治体によって異なる要件が定められています。

2.許可申請、届出
どの形態で民泊を実施するか決めたら、次は各形態に応じた許可申請や届出をおこないます。
必要な書類や届出先は事前に窓口に電話で問合せたりホームページで確認しておくとスムーズでしょう。
旅館業法で始める場合は一般的に各都道府県の保健所で許可申請を行います。
特区民泊では民泊新法と同様に自治体によって担当の窓口が異なりますので、事前に確認しておきましょう。
また、空き家のリフォームを行う場合は申請を行う前に工事が完了するようにしっかりスケジュールし、建物や設備の機能に問題がないか確認を徹底しておきましょう。

まとめ

空き家を民泊として活用するメリットとデメリットについて解説しました。
空き家を所有していて扱いに困っているという方も多いと思いますが、空き家を放置してしまうと費用がかかったり資産価値が下がってしまうため、民泊として活用することは空き家の対策としての選択の一つになります。
民泊には複数の形態があるため、今回紹介したそれぞれの特徴を踏まえ自身の希望に合った
形態を選んで民泊運営を開始することをおすすめします。
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ぜひ合わせてご覧いただければと思います。