全壊した家屋に対する補助金とは?申請方法や金額について徹底解説
全壊した家屋に対する補助金とは?申請方法や金額について徹底解説
2024.10.09
自然災害や事故などによって家屋が全壊した場合、被災者に対してさまざまな補助金や支援が提供されます。全壊は、生活基盤を失うほどの大きな打撃となり、多くの方が生活再建のための資金を必要とします。この記事では、全壊した家屋に対する補助金について、その内容や申請方法、金額の目安などをわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧いただき、自然災害により住居に大きな損害を受けた時に少しでも精神的、経済的な負担を軽減できるよう参考にしていただければと思います。
全壊とは?
まず「全壊」とは、家屋
が完全に崩壊し、修理による再利用がほぼ不可能な状態を指します。全壊の判定は、専門の調査機関や自治体が行い、住宅の損傷具合によって「半壊」や「一部損壊」と区別されます。
全壊と判定された場合、生活再建に向けた資金援助を受けることが可能です。これには、国や自治体の補助金、保険、さらには民間の支援団体による支援が含まれます。
全壊に対する補助金制度
被災者生活再建支援制度の概要
全壊の被害を受けた方が真っ先に利用を検討すべき支援制度が、被災者生活再建支援金制度です。これは、自然災害で家屋が全壊し、生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、被災者生活再建支援法を適用し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者に対して被災者生活再建支援金を支給することにより、生活の再建を支援し住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的とした制度です。
支給対象
生活再建支援金の支給対象は、
・地震、台風、津波、豪雨、噴火等の自然災害(10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村など)によって住宅が全壊した世帯
・住宅が半壊、または住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
・災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
・住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯)
・住宅が半壊し、相当規模の補修を行わなければ居住することが困難な世帯(中規模半壊世帯)
です。
支援金の支給額
大きく分けて「基礎支援金」と「加算支援金」の2つから構成されます。
基礎支援金: 全壊、解体、長期避難の場合は100万円、大規模半壊では50万円が支給されます。
加算支援金: 住宅の再建方法に応じて、次の金額が加算されます。
建設・購入:200万円
補修:100万円
賃貸(公営住宅を除く):50万円
※中規模半壊の場合のみ、基礎支援金なし、加算支援金は建設・購入:100万円、補修:50万円、賃借(公営住宅を除く):25万円となります。
これにより、最大で合計300万円が支給されます。この金額は、被災者の生活再建の一助となりますが、家屋の再建には全額を賄えないことも多いのが現状です。したがって、他の支援制度や保険金の活用が重要です。
その他、一時的な生活費を必要とする世帯に対して、お住まいの自治体の社会福祉協議会で生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金の貸付も行われます。
義援金
義援金は、自治体や赤十字等の団体が主催して被災者に対して募る寄付金です。この義援金は、被災者に分配される形で支給されます。全壊した家屋の所有者には、義援金が優先的に支給されることが多く、自治体ごとに金額が異なる場合があります。
義援金は、基本的には生活再建支援金とは別枠で支給されるため、合わせて受け取ることが可能です。支給される金額は災害の規模や義援金の集まり具合によって異なりますが、大規模な災害時には数十万円が支給されるケースもあります。
災害関連の税制優遇措置
全壊した家屋を対象とした補助金や義援金以外にも、税制面での支援があります。特に、所得税の軽減措置や固定資産税の減免措置が活用できます。
所得税の軽減
被災者が補助金や義援金を受け取る場合、それらは非課税所得とされるため、所得税が課されることはありません。また、被災によって発生した損失を所得から控除できる「雑損控除」を利用することも可能です。
固定資産税の減免
全壊した家屋や土地に対しては、固定資産税の減免措置が適用される場合があります。自治体によって異なりますが、全壊した家屋に対しては、翌年度の固定資産税が全額免除されるケースが多いです。
補助金の申請手続き
被災証明書の取得
補助金を受け取るためには、まず「被災証明書」の取得が必要です。これは、自治体が発行する書類で、被災状況を証明するものです。申請手続きは市区町村の役所で行い、現地調査などを経て証明書が発行されます。
被災証明書取得の流れ
市区町村の役所に申請を提出
担当者が被災状況の調査を実施
被災証明書の発行(通常1週間~1か月程度)
生活再建支援金の申請
被災証明書を取得したら、次に生活再建支援金の申請を行います。申請は、主に市区町村の窓口やオンラインで行うことが可能です。申請書類には、被災証明書や本人確認書類が必要となります。
生活再建支援金申請の流れ
被災証明書と必要書類を準備
市区町村の窓口で申請
書類審査後、支援金が振り込まれる(通常1~3か月)
他の補助金や支援金の併用
生活再建支援金に加えて、自治体ごとに独自の補助金が用意されていることがあります。たとえば、災害救助法が適用された地域では、住宅再建に必要な資材費用や仮住まいにかかる家賃の一部が補助されることもあります。
また、被災した住宅が火災保険や地震保険に加入していた場合、保険金の請求も行う必要があります。これらを合わせることで、より多くの資金を生活再建に役立てることができます。
保険と補助金の違い
全壊した家屋に対する補助金は、基本的に災害時に支給される公的支援であり、保険金とは異なる性質を持ちます。火災保険や地震保険に加入している場合、補助金に加えて保険金を受け取ることができるため、補助金と保険金の両方を活用することが推奨されます。
保険金の支給額は、契約内容や被災の状況により異なりますが、家屋の修繕費用や生活再建費用の一部または全額をカバーできる場合があります。
補助金申請時の注意点
補助金を申請する際には、以下の点に注意が必要です。
期限に注意する
多くの補助金や支援金は、申請期限が設けられています。特に、生活再建支援金は災害発生後1年以内に申請する必要があるため、早めの行動が重要です。
正確な情報を提供する
申請書類には、正確な情報を記載することが求められます。不正確な情報や不備があると、審査が遅れる可能性があるため、事前に必要書類を確認し、漏れがないように注意しましょう。
複数の補助金を検討する
補助金や支援金は、生活再建支援金だけでなく、自治体ごとに独自の支援策が用意されている場合もあります。地元の役所や災害関連の情報サイトを確認し、利用可能な支援策を最大限に活用しましょう。
まとめ
以上のように全壊した家屋に対する補助金は、生活再建の重要な手助けとなります。生活再建支援制度や義援金、税制優遇措置など、利用可能な支援を最大限に活用することで、被災後の生活基盤を早期に回復することが可能です。特に、申請期限や手続きの流れに注意しながら、迅速に行動することが求められます。
全壊という大きな困難に直面した際には、補助金や支援制度を活用し、生活再建に向けた最初の一歩を踏み出しましょう。