能登豪雨でも重要だった災害時の罹災証明書の取得方法と得られる支援内容
能登豪雨でも重要だった災害時の罹災証明書の取得方法と得られる支援内容
2024.11.02
令和6年(2024年)9月に石川県能登地方で発生した「能登豪雨」は、記録的な降水量により各地で豪雨や土砂災害を警戒し、多くの住宅や建物が被害を受けました。災害による被害を受けた時に重要になるのは「罹災証明書(り災証明書)」の取得ですが、初めて聞いた、という人も多いのではないでしょうか?そこで今回の記事では、罹災証明書がなぜ必要なのか、申請方法、取得後に受けられる支援制度等について詳しく解説します。自然災害の多い日本で暮らしていれば、誰もが被災する可能性を持っています。ぜひ最後までご覧いただき、自分が被害に遭った時の参考になればと思います。
罹災証明とは?
罹災証明書とは、地震や大雨、津波など自然災害によって住宅や建物が被害を受けたことを証明する書類で、各自治体が発行します。 り災区分として「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」「一部損壊」などに分けられており、各種の支援や保険金請求の際に判断する上で必要な証明となります。
特に能登半島地震の復興の最中に発生した能登豪雨のような大規模災害では、生活再建を支援するための公的な助成金、税金の減免措置、仮設住宅の提供など多様な支援制度が用意されましたが、これらを受け取る際に必要な書類であり、被災者の生活再建において重要な存在とも言えます。
罹患証明書が必要な理由と受けられる支援の内容
罹災証明書は、以下のような支援やサービスを受けるために必要となります。
災害支援金や生活再建支援金:罹災証明書があれば、住まいが全壊または半壊の場合、生活再建を支援するための資金を受け取ることが可能です。家族の人数や住宅の被害の程度に応じて、支給金が決まります。
火災保険や地震保険の請求:多くの保険会社が、被害を受けた建物の証明として罹災証明書の提出を求めています。証明書があることで、保険金の請求手続きがスムーズに進みます。
税金の減免や納税の猶予:税や固定資産税の減免、または納税猶予措置が受けられるケースがあります。被災後のくらしを支える大きな助けとなります。
仮設住宅や公営住宅の提供:災害により自宅が損壊や浸水して住めない状況の場合、仮設住宅や公営住宅、施設への入居が可能になります。 仮設住宅は通常、被災者支援法に基づいて無償で提供され、罹災証明書が入居のための必要書類になります。
被災証明書の取得手順
能登豪雨で被災された方が災害証明書を取得するには、以下の手順で申請を行いました。災害や地域によっても異なりますが、今後他の災害が発生した際の参考にして下さい。
ステップ1:自治体窓口での申請
罹災証明は、被災者が住んでいる自治体の役所で申請します。 通常、申請書は自治体の窓口で受け取るか、自治体のホームページからダウンロードすることができます。後で紹介する申請の際に必要な書類を揃えて窓口で手続きを行います。
ステップ2:被害調査
申請を受けた自治体は、職員または指定された調査員を派遣し、現地調査を実施します。 この調査で、建物の損壊状況が評価され、「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」「一部損壊」の区分の中で判定されます。調査員が訪問する際は、家屋の被害状況を確認しやすくするために、被害箇所を整理しておくと良いでしょう。
ステップ3:証明書の発行
被害調査の結果に基づいて対象と判断されると罹災証明書が交付されます。 証明書の発行には、通常、申請から数日から数週間かかりますが、大規模災害時にはさらに時間がかかる可能性があります。役所の窓口か郵送で受け取ることが可能です。
罹災証明書の申請に必要な書類
罹災証明書の申請には、以下の書類が必要です。スムーズな手続きを行うためにも、必要な書類を事前に準備しておきましょう。
・罹災証明書交付申請書:自治体の公式ウェブサイトや窓口で配布されている申請用紙に必要事項を記入します。
・本人確認書類:マイナンバーカードや運転免許証、健康保険証など、本人確認ができるもの
・被害状況の写真や動画:建物の被害状況を記録した写真や動画がありますと、調査がスムーズに進みます。
・申請書:自治体によっては追加の書類が求められる場合があるため、事前に自治体のホームページで確認するか、役所窓口で確認することをおすすめします。
・代理人が申請する場合は委任状
罹災証明書の有効期限と再発行について
罹災証明書の有効期限に関しては明確な期間が定められていない場合が多いですが、助成金や支援制度には申請期間があるため、必要な手続きは早めに行うことが大切です。状況が変更した場合(例:住宅の修繕後)には、再調査を依頼し、新たな罹災証明書を発行してもらうことも可能です。
罹災証明書申請時の注意点
罹災証明書の申請には、以下のような点に留意して手続きを行いましょう。
・早めの申請を心がける:災害発生直後は役所もバタバタしている為、早めに申請手続きを行うことが重要です。災害直後の被害状況を記録するためにも、迅速な対応が求められます。
調査の立ち会い:調査が行われる際には可能な限り立ち会い、建物の損壊状況を直接説明することがおすすめです。
記録の重要性:被害箇所が明確にわかる写真や動画を記録してみましょう。申請時のトラブル防止にもなりますし、保険金請求や支援金申請にも役立ちます。
罹災証明書を取得後に利用できる支援策
被災した際は行政などからさまざまな支援を受けることが可能です。罹災証明書を取得した後は、以下の支援制度を活用することができます。
・災害援護資金の貸付:生活再建に必要な資金を低利または無利子で借りられる制度です。
・住宅再建支援金:住家の全壊や大規模半壊に該当する場合、再建や修理のための支援金が給付されます。
・医療費や介護保険料の減免:災害により経済的な負担が増加した被災者に対して、医療費や介護保険料の減免措置が適用されることがあります。
・学用品費支援:被災者の子どもに対して、学用品費の一部を支援する制度もあります。
まとめ
能登豪雨をはじめ、大雨により被災した方にとって、被害を受けた罹災証明書は生活再建をするために必要な書類です。取得には自治体への申請や現地調査が必要ですが、この証明書があることで、支援金や保険金、税金の減免といった一時支援が受けられます。災害発生からの早期復興を目指して、早めに罹災証明書を取得して支援を確実に受けられるようにしましょう。
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