古民家再生で魅力的な外観を実現する方法 - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

古民家再生で魅力的な外観を実現する方法

古民家再生で魅力的な外観を実現する方法

2024.07.02

古民家再生は、古き良き日本の建築美を現代に甦らせるだけでなく、家に新しい価値を加える試みです。その中でも外観の再生は重要なポイントの一つ。古民家の外観は、地域の景観に溶け込みつつ、個々の家の歴史や文化を映し出す大きな要素を担うためです。そこで今回の記事では、古民家再生における外観の魅力を引き出す方法とその実例の詳細を解説します。

古民家の外観再生の目的と魅力

古民家には正確な定義はありませんが、一般的に約50年以上前に建てられた木造の日本家屋を指し、中には100年を超える建物もあります。そんな古民家をリフォーム・リノベーションして新たな住まいや店舗として活かす取り組みを古民家再生と呼んでいます。ここでは人の目につくことが多い古民家の外観を再生することの目的と魅力について紹介していきましょう。

日本の伝統と文化を継承する

古民家の外観には、茅葺き屋根や瓦屋根、木組みの構造、土壁等、日本の伝統的で高度な建築技術が詰まっています。これらを改修し現代に継承することで、日本、そして地域の歴史や文化を守ることができます。特に茅葺き屋根や瓦の修復は高度な職人技が求められ、仕上げも大きく変わるため、施主は依頼する会社や職人を厳選しなくてはなりません。一般的な施工と比べ費用はかかりますが、現代の新築の建物では代替できない美しさを手に入れることができるため、現在でもあえて茅葺屋根を希望し、実際に採用する人が多くいらっしゃいます。

自然素材を活用する

古民家の外観は、木材や土、石等の自然素材で作られており、古民家再生でこれらの素材を再利用することで、環境にも優しい家づくりにつながります。また、自然でできた素材の持つ風合いや質感は、現代の建材にはない温かみやぬくもりが感じられるという点も大きな魅力です。

独自性と個性

古民家は現代の量産される住宅とは異なり、一つ一つに個性があります。そして再生された外観も個性豊かな仕上がりになります。それぞれの古民家が持つ歴史や物語を反映させた外観は、世界に一つだけの独自性を持ち、住む人にとって特別な価値を生み出すでしょう。また、外観だけでなく古民家ならではのレトロでモダンな内装、例えば高い天井や梁、広い土間、大きな間取り、庭を見渡せる縁側、美しい建具等、長い時代を経て変化した古民家の良さを活かし、現代の暮らしに合わせ使いやすく調和させることで更にオリジナリティのある家を手に入れることができるでしょう。

古民家の外観再生の具体的な方法

それでは古民家再生で外観をリノベーションする時の具体的な方法の一部を紹介します。

屋根の再生

茅葺き屋根の修復

茅葺き屋根は、古民家の象徴とも言える存在です。雨漏りをするのでは?というイメージのある茅葺屋根ですが、実は耐久性や通気性、吸音性、断熱性、保温性等、さまざまな性能に優れた屋根なのです。茅葺き屋根の修復には専門の職人が必要であり、茅の調達から施工まで、一貫して行うことが求められます。

瓦屋根の修復

瓦屋根は地域によって形状や色が異なり、その土地ならではの特徴を持っています。古い瓦を再利用することも可能ですが、欠けや割れがあるケースでは新しい瓦を使用して補修します。瓦の配置や固定方法にも注意が必要で、伝統的な手法を守ることも大切です。

土壁の再生

土壁は古民家の外観に自然な風合いを与えます。土壁の再生には、土の選定や調合、塗り方に高い技術が必要です。古い壁材を取り除き新しい土を用いて塗り直す作業があり、完成までに長い時間がかかりますが、自然乾燥をさせることでひび割れを防ぎます。

板張りの再生

木板で覆われた外壁も古民家にはよく見られます。板張りの修復には、腐食や害虫を防ぐための処理が重要となります。古い板が使える状態の場合は、そのままではなくサンドペーパーで磨き、防腐剤を塗布します。新しい板を使用する場合も、古材の風合いに近い素材を選ぶと良いでしょう。

窓や扉の再生

格子窓や障子の修復

古民家の特徴的な窓や扉も再生のポイントです。格子窓や障子は、室内外の空気の流れを良くし、自然光を取り入れる役割を持っています。これらの修復には、木枠の補修や紙の張り替えが必要です。伝統的な和紙を使用することで、風情を保ちながらも機能性を高めることができます。

玄関の修復

玄関は家の顔とも言える部分で、訪れる人に強い印象を与えます。古民家の玄関は、大きな引き戸や立派な柱が特徴的ですので、それを残すためには引き戸の滑りを良くするための調整や柱の補強を行うことで、昔ながらの風格を保つことができます。

外構の整備

庭の再生

古民家の庭も外観の一部として重要な役割を果たします。伝統的な日本庭園の要素を取り入れ、石畳や苔、池などを整備します。庭木や花も季節ごとに植え替え、四季折々の風情を楽しむこともおすすめです。

塀や垣根の修復

古民家を囲む塀や垣根も再生の対象となります。竹垣や石垣、塀など、素材やデザインによってさまざまな種類があり、暮らす人だけでなく目にする周囲の人への印象も大きく変わります。そのため、傷んだままにするのではなく綺麗に修復することで、外観全体の統一感と古民家の趣、雰囲気を確保することができます。

古民家再生で大切なこと

専門家を活用する

古民家再生を成功させるには、建築や庭園、伝統工芸など、さまざまな分野の専門家の力が必要となります。多くの実績を持った信頼できる工務店やリフォーム会社を見つけ、設計やプラン等をしっかりと相談、打ち合わせした上で進めていくことが安心につながります。専門家だからこそ分かる視点から、予算を踏まえた上で住み心地の良い空間を作るためのさまざまな提案を行ってくれる業者を探すと良いでしょう。

地元の素材と技術の活用する

古民家再生に際しては、物件のある場所の素材や技術を活用することがおすすめです。これにより地域経済の活性化にも寄与し、建物がその土地に自然に馴染むことができるでしょう。

伝統と現代のバランス

古民家の外観や室内に伝統的な要素を残しつつ、キッチンやトイレ、洗面台、風呂等の水回りの設備は新しいものを設置したり、耐震性の補強や寒さ、暑さ対策として断熱材の導入、部屋と部屋の境目をなくしバリアフリーにするなど現代の技術を取り入れることで、快適で安全な住まいを実現できます。

まとめ

古民家再生における外観の再生は、伝統美の継承や環境への配慮、独自性のある住まいの実現など、多くの魅力があります。成功するためには、屋根や壁、窓や扉、外構など、細部にわたる丁寧な作業と、専門家の協力が必要です。地域の素材や技術を活用することで、魅力的な外観を持つ古民家再生を実現しましょう。このサイトでは、他にも古民家再生の工事の事例や使える補助金など、さまざまな情報を広く発信しています。ぜひ合わせてご覧ください。