

基礎断熱工法とは?種類やメリット・デメリット、施工時の注意点も紹介!
基礎断熱工法とは?種類やメリット・デメリット、施工時の注意点も紹介!
2025.05.12
住宅の省エネ性や快適性が注目される現在、断熱性能を高めることは家づくりにおいて極めて重要です。特に基礎断熱工法は、床下の空間を断熱・気密化することで室内の温度を一定に保ち、冷暖房効率を高める注目の技術です。
今回の記事では、基礎断熱工法の特徴、効果、種類、メリット・デメリット、施工方法、リスク、注意点、比較などを含めて詳しく解説します。これから新築住宅を検討している方、断熱リフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
基礎断熱工法とは?概要と特徴を解説
基礎断熱工法とは、住宅の基礎部分(コンクリートでできた立ち上がりや床下全体)に断熱材を設置して、外気の影響を受けにくくする施工方法です。
■ 構造と施工方法
基礎断熱には主に以下の2つの種類があります。
種類 | 断熱材の設置場所 | 特徴 |
外断熱 | 基礎の外側に断熱材を設ける | 熱の出入りを防ぎ蓄熱性が高いが、シロアリ対策が必要 |
内断熱 | 基礎の内側に断熱材を設置 | 施工が比較的簡単で乾燥しやすいが、断熱効果に差が出ることも |
最近は、内外併用や断熱型枠を用いた新しい工法も増えており、地域や地盤の状態、気候環境に応じて選ばれています。
床断熱との違いと比較:どちらが最適か?
「床断熱」と混同されがちですが、両者には大きな違いがあります。
項目 | 基礎断熱 | 床断熱 |
対象範囲 | 基礎全体(床下空間を含む) | 床部分のみ |
気密性 | 高めやすい(隙間が少ない) | 隙間風の影響を受けやすい |
空間利用 | 床下空間を空調や配管スペースとして使える | 床下は非空調空間で、温度差が大きい |
カビ・湿気対策 | 対策をしっかりすればカビ発生リスクは低い | 湿気がこもりやすく、結露が起きやすい |
寒冷地向きか | ◎(寒冷地に最適) | △(寒さが厳しい地域では効果が低い) |
寒冷地やZEH住宅、全館空調を採用したい場合は、基礎断熱の方がメリットは多いです。
基礎断熱のメリット一覧
1. 室温が一定に保たれ、快適な住まいに
地熱を活かした構造のため、夏は涼しく冬は暖かくなり、冷暖房コストも削減できます。
2. 省エネ性能が高い
断熱・気密性が高いため、エアコン等の空調効率が上がり、年間の光熱費が少なく済みます。
3. 床下の有効活用が可能
配管や設備機器を設置しやすく、メンテナンスもしやすいのが特徴です。
4. 住宅全体の寿命を延ばす
結露やカビの発生を抑え、土台や柱の腐食リスクが低減します。
デメリット・リスクとその対策
■ デメリット一覧
- シロアリの侵入リスクが高まる可能性あり
- 施工不良があると断熱性能が低下しやすい
- 初期費用が床断熱より高い
- 地域に合わない設計だと凍結や湿気のリスクがある
■ 対策方法
- 防蟻処理をしっかり行う
- 信頼できる施工会社を選び、仕様や工法の確認を徹底する
- 24時間換気システムや通気設計を合わせて導入する
実際の施工事例と性能評価
全国の寒冷地や高温多湿地域でも対応可能な基礎断熱システムを多数採用しています。以下は一例です:
■ 北海道の木造住宅(ZEH対応)
- 採用工法:基礎内断熱+全館空調
- 性能評価:年間冷暖房費25%削減
- お客様の声:「冬でも室内が暖かく、快適な暮らしが実現した」
基礎断熱をさらに深く知る:一般的な認識との違いと日本の普及状況
基礎断熱は一般的に「高性能住宅向け」や「寒冷地専用の工法」と思われがちですが、実際には日本全国のさまざまな地域で普及が進んでおり、今や主流の断熱工法の一つとして注目されています。
■ 建築現場での実際の流れと人の動き
建てる際には、建築の初期段階で基礎の設計と断熱仕様を固めておくことが重要です。内部の空気の流れや床下の空気環境は、建物全体の性能に大きな影響を与えます。冷気や水分の侵入防止においても、基礎断熱は極めて効果的な手段です。
作業中は、職人たちが同じ目的に向かって連携し、人の手によって一つ一つ丁寧に断熱材が施工されていきます。その流れの中で、使わない断熱材の適切な処理や、見えない内部の処理状況にも注意が払われます。
■ 一般住宅と高性能住宅の差とは?
基礎断熱の導入においては、一般住宅と高性能住宅の違いを明確に把握しておくことが大切です。例えば、部屋ごとの温度差が小さい住宅は、快適性だけでなく健康面でも良い影響があると検証されています。寒い季節でも室内の空気が暖かく保たれることで、ヒートショックのリスク防止にもつながります。
また、基礎断熱は地面からの冷気の遮断にも有効で、従来の工法と比べても優れた断熱性能を発揮します。断熱材は使用する場所(外側・内側)ごとに特性が異なり、それぞれに適した材質や厚みを選ぶことが重要です。
■ 高く評価される理由と今後の期待
基礎断熱が高く評価される理由は、大きく分けて「気密性の高さ」「内部空気の質の改善」「構造の耐久性向上」の3つが挙げられます。施工の際には、断熱材の選定や気密テープの処理など細かい工程があり、一つの部でも手を抜けば性能に大きく関わります。
今後は、日本各地でさらに普及が続くと見られ、特に住宅の断熱性能に対する関心が高まっている現在、「より高性能な住宅を建てたい」というニーズに応える技術として期待されています。
■ 初めて基礎断熱を考える人へ:大切なポイント
これから初めて基礎断熱を検討する方には、「断熱=壁や屋根だけ」という考えを見直すことが求められます。地面に接する基礎部分にも断熱を施すことで、空気の流れを制御し、室内の温熱環境が安定します。
導入のポイントと施工時の注意点
■ 導入の検討ポイント
- 土地の地盤や地域環境(寒冷地か否か)
- 気密・換気・通気設計のバランス
- 建物の構造・仕様と適合するか
■ 注意点
- 断熱材の厚みや材質に注意
- 施工後の目視点検や保証制度の確認
- 外周部分の断熱施工の処理不良に要注意
よくある質問と回答
- 基礎断熱に向いている建物の種類は?
A. 木造住宅や**高性能住宅(ZEHなど)**との相性が良く、外断熱との併用も可能です。 - シロアリ対策はどうすれば?
A. 防蟻処理と物理的バリアを併用し、定期的な検査が効果的です。 - リフォームでも導入できますか?
A. 状態によりますが、内側からの断熱補強で対応可能な場合があります。
まとめ:基礎断熱は快適な住まいづくりの要
以上のように基礎断熱は、住まいの快適性・省エネ性・健康的な生活環境を実現するために重要な工法です。気密性の高い構造と正しい施工により、結露やカビ、シロアリの被害を防ぎ、安心・安全な暮らしにつながります。
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