能登半島地震と住まいに関する課題 - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

能登半島地震と住まいに関する課題

能登半島地震と住まいに関する課題

2025.01.09

2024年1月1日に石川県能登半島で発生した地震は、多くの人が死亡し、甚大な被害をもたらしました。この地震により、多くの住宅が倒壊または損傷し、住まいに関する問題が浮き彫りになっています。2024年3月5日時点での被害状況は、人的被害1,540名(死者241名、負傷者1,299名)、住宅被害81,717棟(全壊8,027棟、半壊13,668棟、床上浸水6棟、床下浸水19棟、一部破損59,997棟)と報告されました。本記事では、地震後に明らかになった住まいに関する課題と、それに対する解決策について詳しく解説します。

被災地での住宅被害の状況

能登半島地震では、能登地域(珠洲市、輪島市など)の古い木造住宅を中心に、多くの家が倒壊しました。地震の規模は最大震度7、マグニチュード6.9と大きく、震源が浅かったため、広範囲に強い揺れが伝わりました。この結果、瓦屋根の落下や壁の崩壊が相次ぎ、住民の避難生活が長期化する懸念が高まっています。
<被災した住宅の主な特徴>
・築40年以上の木造住宅
・耐震補強が施されていない建物
・地盤が弱い地域に建てられた家屋
これらの住宅は耐震基準を満たしていないことが多く、地震に対する脆弱性が高いとされています。

災害による住宅被害で受けられる補助

能登半島地震をはじめ、災害により住まいに被害を受け補修が必要となったり、新たに住宅を建設、購入、解体、賃借が必要となった場合、その費用をどうするかといった経済的な不安もあるでしょう。
そんな時、国の被災者生活再建支援制度や、各自治体が設けている補助金制度を利用して支援を受けることができます。

被災者生活再建支援制度の概要

住宅の再建方法に応じて支援金が支給されます。
・全壊した世帯には基礎支援金として100万円、大規模半壊世帯には50万円が支給されます。
・住宅を建設・購入する場合は200万円、補修する場合は100万円、賃借する場合は50万円が加算されます。
・損壊割合が30%台の住宅に対しても「中規模半壊」として新たに補助の対象になりました。
自治体によって補助の内容や条件、申請の方法は異なることがありますので、詳細はお住まいの自治体のホームページまたは窓口でご確認ください。

仮設住宅の不足と居住環境の課題

被災地では仮設住宅の設置が急務とされていますが、建設が追いつかず、多くの人が体育館や公共施設での避難生活を余儀なくされているのが現状です。このような環境では、プライバシーの欠如や健康問題が深刻化しています。
<仮設住宅の設置における課題>
・建設用地の確保が難航
・建設資材や人手の不足
・被災者の多様なニーズに対応しきれない
さらに、避難所生活ではストレスや感染症のリスクが高まり、特に高齢者や子供への影響が懸念されています。

今後の課題と対策

日本ではこれまでも各地で大きな地震や豪雨などの災害が起きているにも関わらず、やはりどこかで「自分たちは大丈夫」という意識があります。災害が起きた時点ではニュースで頻繁に取り上げられるものの、1年もたたない内に風化し、関心が薄れてしまうことも影響しているかも知れません。しかし、被災地では思うように復興が進んでおらず、支援も遅れ、現在も厳しい生活を強いられている人が多くいます。他人事と思わず、住んでいる地域で災害が起きる前に、今できる対策に早急に取り組むことが重要です。

(1) 耐震補強の重要性

地震による住宅被害を軽減するためには、耐震補強の推進が不可欠です。中でも、築年数が古い住宅に対しては、以下のような対策が求められます。
・耐震診断の実施
・耐震補強工事への補助金制度の拡充
・地域住民への耐震意識の啓発

(2) 防災集団移転の促進

地盤が弱い地域や再度の高い被災リスクが想定される地域では、防災集団移転が有効な解決策となります。これにより、安全な場所への移転を促進し、災害リスクを軽減できます。

(3) 仮設住宅の迅速な建設

仮設住宅の建設を迅速化するためには、自治体や国、建設業者が連携して取り組む必要があります。さらに、プレハブ型やユニット型の仮設住宅を導入することで、建設スピードを向上させることができます。

(4) コミュニティ支援の充実

避難生活を送る被災者に対しては、心理的サポートや生活再建に向けた支援が重要です。自治体やNPOが連携し、相談窓口の設置や地域コミュニティ活動の支援を強化する必要があります。

地震対策に向けた今後の取り組み

能登半島地震を教訓に、以下のような防災対策が求められます。
・防災教育の推進:地域住民に地震への備えを促す教育を行い、避難訓練や防災グッズの普及を進めます。
・インフラの強化:道路や橋梁の耐震化を進め、地震後の迅速な救助活動を可能にします。
・災害情報の共有:自治体や気象庁が迅速かつ正確な情報を提供し、住民が適切な行動を取れるようにします。

まとめ

以上のように2024年の能登半島地震は、住まいに関するさまざまな課題を浮き彫りにしました。耐震補強や仮設住宅の整備、防災教育の充実など、長期的な視点での対策が求められています。被災者が一日でも早く安心して暮らせる環境を取り戻すために、国や自治体、地域社会が一丸となって復興・復旧に向け取り組むことが必要です。
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