能登半島地震と家屋倒壊の実情。今後の課題は? - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

能登半島地震と家屋倒壊の実情。今後の課題は?

能登半島地震と家屋倒壊の実情。今後の課題は?

2024.08.17

2024年1月1日、石川県能登半島を中心に非常に大きな地震が発生しました。震源の深さは約10km、マグニチュード7.6という強力な地震で、多くの地域で震度6強から最大で震度7の揺れを観測しました。この地震は、地域住民の暮らしに深刻な影響を与え、特に家屋の倒壊や損壊が甚大でした。今回の記事では、この地震による家屋倒壊の実態と、その後の復興の取り組みについて詳しく探っていきます。

能登半島地震での家屋倒壊リスク

能登半島は日本海に突き出た地形を持ち、複数の活断層が存在する地域です。そのため、地震活動が比較的活発であり、過去にも大規模な地震が発生してきました。特に、この地域の地質構造は地震時に揺れが増幅されやすく、また地盤が軟弱な部分も多いため、家屋の倒壊リスクが高まる要因となっています。

家屋倒壊の原因と被害状況

今回の地震による家屋倒壊は、主に以下の要因が重なったことが原因とされています。

耐震性の不足

多くの家屋は古い木造建築の戸建てで、現在の耐震基準(1981年に導入された新耐震基準)を満たしていないものが多く見られます。特に築40年以上の住宅が多く、これらの建物は強烈な揺れに耐えられず、倒壊や大きな損壊を引き起こしました。

地盤の脆弱さ

能登半島は、地盤が比較的軟弱な地域も多く、地震の揺れが増幅されやすい地質です。これにより、建物が傾斜したり、基礎から外れて倒壊するケースが多発しました。

過去の修繕不足

過去の地震や台風などで損傷を受けた家屋が適切に修繕されていなかった場合、その弱点が今回の地震で露呈し、倒壊に至ったケースも報告されています。

これらの要因が重なり、特に震源地に近い被災地では、家屋の倒壊や損壊が相次ぎました。報道によれば、能登半島の中でも特に被害が大きかったのは輪島市や珠洲市、七尾市といったエリアで、多くの住宅が住める状態ではなくなりました。

家屋倒壊の影響と住民の生活

家屋の倒壊は、住民の生活に直接的かつ深刻な影響を及ぼします。家を失った住民たちは、避難所や親戚宅での一時避難を余儀なくされました。また、生活基盤を失ったことから、特に高齢者や子供を抱える家庭では、健康面や心理的なストレスが問題となっています。
さらに、地震によって発生した火災や、倒壊した家屋が道路をふさぐなどの二次被害も発生し、地域のインフラや交通にも影響を及ぼしています。これにより救援活動が難航し、一部地域では物資の供給が遅れるなどの事態も生じています。

能登半島地震後の復興への取り組みと課題

能登半島では、過去の地震経験を生かし、迅速な復興に向けた取り組みが始まっています。政府や自治体による被災者への支援金の支給や仮設住宅の建設といった復興は急ピッチで進んでいます。また、ボランティア団体やNPOも、住民の生活再建をサポートするために積極的に活動しています。
しかし、復興には多くの課題が残されています。特に、高齢化が進む地域では、住民が自力で家屋を再建することが難しく、支援の手が行き届かないケースも少なくありません。また、地震の影響で地域経済が打撃を受けたため、地元の商店や農業の再建にも時間がかかると予想されます。
さらに、倒壊した家屋の処理や、復興に向けた新しい住宅の建設において、住宅の耐震化をいかに迅速かつ効率的に供給するかが課題となります。これには、国や地方自治体の支援に加えて、地域住民の協力や、建設業界全体の努力が求められています。

家屋倒壊を防ぐための具体的な対策

家屋倒壊を防ぐためには、地震に対する備えをしっかりと行うことが重要です。以下に、家屋倒壊を防ぐための具体的な対策をいくつか挙げます。

耐震補強

古い建物や耐震性が不足している建物の場合、耐震補強を行うことが最も効果的です。具体的な方法には、以下のようなものがあります。
壁や柱の補強: 耐震性を高めるために、筋交いや耐震壁を追加することで、建物の強度を高めます。
基礎の補強: 基礎部分が弱い場合、コンクリートを打ち増しするなどして補強することが重要です。
屋根の軽量化: 重い屋根材は倒壊のリスクを高めるため、軽量な屋根材に変更することが推奨されます。

家具や家電の固定

室内の家具や家電が倒れることで家屋全体にダメージを与えることもあります。これを防ぐために以下の対策が有効です。
家具の固定: 高さのある家具や重い家電は、L字金具や突っ張り棒を使って壁に固定します。
ガラス製品の飛散防止: 窓ガラスやガラス戸には飛散防止フィルムを貼り、割れたガラスの飛散を防ぎます。

地盤の調査と改良

建築前に地盤調査を行い、地盤が軟弱な場合には地盤改良を行うことが重要です。地盤がしっかりしていないと、地震の際に建物が傾いたり倒壊したりするリスクが高まります。
地盤改良工事: 建物を建てる前に、地盤の改良工事を行い、地震に強い基礎を作ることが効果的です。

建築基準法の遵守

日本では、建築基準法によって地震に対する最低限の耐震基準が定められています。新築やリフォームの際には、最新の耐震基準に従った設計・施工を行うことが重要です。
適切な施工業者の選定: 耐震基準を理解し、確実に施工できる業者を選ぶことが重要です。

定期的な点検とメンテナンス

建物が経年劣化すると耐震性も低下します。定期的に点検を行い、必要に応じてメンテナンスを行うことで、建物の安全性を保つことができます。
外壁や基礎のひび割れ点検: ひび割れが見られた場合は、早めに補修を行います。

耐震診断の実施

専門家による耐震診断を受けることで、自宅の耐震性を確認し、必要な補強や改善策を講じることができます。

耐震診断士に依頼: 自治体や専門の業者に依頼して耐震診断を受け、補強の必要がある場合は早めに対策を取ることが大切です。

保険の活用

地震保険に加入することで、万が一の被害に対する経済的な備えをすることも考慮すべきです。保険があれば、地震後の家屋再建や修理費用をカバーできます。

これらの対策を講じることで、地震による家屋倒壊のリスクを大幅に軽減することが可能です。日本は地震の多い国ですので、事前の備えが非常に重要です。

おわりに

能登半島地震による家屋倒壊は、地域住民にとって大きな痛手となりました。しかし、東日本大震災や熊本地震など、過去の相次ぐ災害から学び、迅速な復興に向けた取り組みが進められていることは、希望の光ともいえます。能登半島地震以降、今の時点でも既に全国で地震の多い日本において、こうした経験を教訓に、より強靭な地域社会を築くための努力が今後も続けられることが求められます。能登半島の復興が一日も早く進み、住民が再び安心して暮らせる日が訪れることを願っています。
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