家を新築するなら断熱性能の高い家を!そのメリットとは? - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

家を新築するなら断熱性能の高い家を!そのメリットとは?

家を新築するなら断熱性能の高い家を!そのメリットとは?

2024.06.04

注文住宅など新築の家を建てようとする場合、デザインはもちろんですが性能の高さも重視したいポイントかと思います。
中でも地球の温暖化により日本も夏の気温が年々上昇しており、高い断熱性能を持った住まいが注目を集めています。
そこで今回の記事では断熱性能の概要と値や等級の目安、高断熱住宅で暮らすことのメリットについて解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、今後新築で家を建てようと検討している皆様に向け参考になればと思います。

断熱性能とは

断熱性能とはいくつかある住宅の機能性の一つで、断熱材等を使用して住宅の内から外、あるいは外から内へ移動する熱を遮断するものです。
熱というのは高いところから低いところへ移動する性質があり、通常は暖房などをかけると暖かい熱は温度の低い外へ移動していく仕組みです。
断熱性能が高い家ではその移動を遮断する力が強く、家の中の温度を保ち快適に過ごすことが出来るのです。

新築で知っておきたい断熱性能の値

断熱性能を表す基準値には「UA値」と「Q値」の2つと「ηAC値(イーターシー)」を合わせた3つの値があります。それぞれの値についての内容を以下、説明しましょう。

UA値

建物内にこもった熱は外壁や床、窓、ドア、屋根等の開口部や建物の表面の所謂「外皮」を伝わって建物の外へ出ていきます。
それがどれくらい出ていきやすいのかの平均率である「外皮平均熱貫流率」を表すのがUA値です。
UA値の数値が小さいほど熱が出ていきにくい、つまり断熱性能が高い建物であると言えます。

Q値

建物の内外への熱の逃げやすさを表すのがUA値なら、Q値は建物全体の熱の逃げやすさを表しています。
こちらも同じようにQ値の数字が小さいほど熱が出ていきにくく断熱性能が高い建物であると言えます。
UA値との違いとしてはQ値には”換気”によって失われる熱も含まれていること、そして算出する際に建物の延床面積のみを使う点です。
2013年に行われた省エネ基準改正からは、このQ値に代わりUA値が主に用いられるようになりました。

ηAC値

ηAC値とは冷房が必要な時期に太陽による日射熱がどれくらい住宅内に入るかを示す値です。

新築で知っておくべき断熱性能の等級

省エネルギー基準は省エネや住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって規定されています。
その中に7つの段階にわかれた「断熱等性能等級」というものがあり、住宅につけられた等級を確認することでその建物の断熱性の高さを判断することができるようになっています。
ただし、この等級はハウスメーカーや施工会社によって異なるため注意しましょう。

<等級7>
「HEAT20」G3と同等のレベル。「平成28年省エネ基準」よりも冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を概ね40%削減可能(2022年10月施行)
<等級6>
「HEAT20」G3と同等のレベル。「平成28年省エネ基準」よりも冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を概ね30%削減可能(2022年10月施行)

<等級5>
「ZEH水準」の断熱基準と同等のレベル。(2022年4月施行)
2022年4月に新設された等級で、ZEHの水準を満たすUA値とηAC値の適合が求められ、2030年以降はすべての新築住宅に断熱等級5への適合が義務づけられることが決まっています。

<等級4>
「平成28年 省エネ基準」と同等レベル。(2000年4月施行)

<等級3>
「平成4年 省エネ基準」と同等レベル。(2000年4月施行)

<等級2>
「昭和55年 省エネ基準」と同等レベル。(2000年4月施工)

<等級1>
「昭和55年 省エネ基準」未満

※HEAT20とは2009年に発足した「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略で、同団体が設けた省エネルギーと室温を指標とした外皮性能水準のこと。
豊かな暮らしを実現するために理想的な室内の温熱環境を目指して考案された。
ZEH水準と比較して厳しく、G1・G2・G3の3段階の住宅外皮水準を制定している。

※ZEH(ゼッチ)水準とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとする「ZEH住宅」とするための
外皮の断熱性能と一次エネルギー消費量の基準を定めたもの。
断熱性能の向上と高効率な設備システムの導入で大幅な省エネを実現し、再生可能エネルギー等の導入を行う。
ZEH住宅は太陽光発電などを用いて生活した場合と同等またはそれ以上のエネルギーを自ら生み出すことができる住宅です。

※断熱等級は地域によって区分が異なります。家を建てる地域がどの区分に属しているかは、国土交通省の「地域区分新旧表」で確認することができます。

断熱性能の高い新築で暮らすメリット

新築で家を建てる時、「高断熱住宅」にするメリットについて紹介します。

一年中快適な室温を保つことができる

断熱性能の高い家は住宅の熱の出入りを防ぐため、室内の温度が夏の暖気、冬の冷気など外気に左右されず常に一定に維持することが可能です。
季節の変わり目や時間による温度変化が少ないので健康への効果も期待できますね。

光熱費の節約

断熱性能が高い住宅は上記のように夏は涼しく、冬は暖かな環境をつくりエアコンを効率的に使用できます。吹き抜けや高い天井の間取りでも室内温度を快適な温度に保てるため、断熱性の低い家よりも冷暖房の使用量を抑えることにもつながるのです。
断熱等級を上げることで年間の電気代や光熱費を数万円下げることも可能です。

ヒートショックの防止

急激な温度差に体がさらされることで血圧が大きく変動し起こる「ヒートショック」が失神や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす原因になることがあり、特に高齢者の方は注意しなくてはなりません。
断熱性能の高い家ならば家の中の温度差を抑えます。そのため、このヒートショックのリスクを低減させ安心、安全な暮らしの実現に役立ちます。

金銭面の優遇措置がある

日本は国をあげて住宅の省エネに力を入れています。その中でZEH基準を満たした家や長期優良住宅を新築、購入した場合に優遇される制度を制定しています。
例としては、全期間固定型住宅ローンである「フラット35」では断熱等級5以上の住宅を対象に金利を0.25~0.75引き下げる「フラット35S」というプランを設けています。
また、ZEH水準の省エネ住宅は一般に省エネ住宅よりも住宅ローンの控除額が優遇されます。
ほかにも補助金が支給される制度も多数あるため、家を新築するならぜひZEH基準を満たす断熱性能の高い家を建て、補助金を活用することをおすすめします。

断熱性能の高い家を新築する際の注意点

それでは断熱性能の高い家を新築する時の注意点やポイントを紹介していきましょう。

高断熱住宅をつくる2つの方法

高断熱住宅には主に「充填断熱工法」と「外断熱工法」の2つの方法があります。
充填断熱工法は、外壁と内壁の間に断熱材を敷き詰める方法で、工事がしやすく比較的コストを抑えて断熱性能を高めることができる方法になります。
一方で断熱材が入らない柱から熱が逃げやすく、施工の品質が悪いと結露の原因になってしまうといったデメリットがあります。
外断熱工法は断熱材で家全体を覆う方法で気密性が高く熱が逃げにくいうえ、結露の発生も抑えられます。
ただし、施工に高い技術が必要なため、外断熱工法が使えるメーカーや工務店が限られること、コストもやや高くなることがデメリットと言えます。

気密性と計画換気

断熱性能を高めるには気密性が重要です。
気密性とは空気の流れを遮断する性能で、気密性が高いということは隙間が少なく外気の影響を受けにくい建物であると言えます。
気密が高いことは高断熱につながり、省エネの性能も高く快適に過ごせる環境づくりには欠かせません。
計画換気は適切に空気の出入りができるよう調整することです。
高断熱で高気密な建物というと空気の出入りが少ないため、次第に空気が汚れたり人の体にもよくありません。
そのため、計画換気のシステムをつけることが必要となりますので設計の際に合わせて検討しましょう。

窓を考慮する

日本では家に住む時に日差しを重視し、その家がどこ向きなのか、どこに窓がついているのかを非常に気にします。南側に窓を設けたいと考える人が多いでしょう。
しかし窓というのは熱の出入りが激しい場所であり、窓の位置や大きさ、使用するガラスの種類は断熱性能にも大きく影響を及ぼします。
断熱性能を高めた家づくりを行うなら、窓の数は少なめに、日当たりによって室温がどれくらい変化するのかをしっかりとチェックすることが大切です。

実績のある建築会社へ依頼

高性能な家を建てるには職人の高い技術が必要となります。
理想を実現するためにはどこの会社を選ぶのかは非常に重要な要素。
高断熱、高気密な家づくりの経験が豊富な建築会社を選び、相談・依頼することも大切です。

まとめ

省エネルギー対策として2030年からは新築されるすべての住宅にZEH水準の適合が義務化されます。
省エネルギーは日本だけでなく世界中の課題であり、そのためには高い断熱性能を持った住宅が必要なのです。
また、最近は電気代の高騰が深刻で、できるだけ冷房や暖房を使いたくないですよね。冷暖房設備を使わなくても気持ち良く過ごせる高断熱住宅は、電気代の削減にも大きな役割を果たします。
これから家の新築やリフォームを予定されている方は、ぜひ断熱性能についても考慮した家づくりをされてみてはいかがでしょうか。
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