家の被災で重要な罹災証明と補助金の種類 - 古民家再生 丹保建設 富山県南砺市 金沢市

家の被災で重要な罹災証明と補助金の種類

家の被災で重要な罹災証明と補助金の種類

2024.03.29

日本は地震や水害等自然災害の多い国。全国各地でさまざまな規模の災害が頻発し、時には非常に大きな被害が発生することもあります。
中でも住宅が被害を受けると、建物だけでなく家財や生活に必要なさまざまな事に影響があり、それまでの暮らしを送ることが出来なくなるだけでなく修理や引越し等で大きなお金がかかり更なる負担となってしまいます。
そこで、生活の再建のために重要となるのが国や各自治体が実施する被災者を支援するための制度です。
今回の記事では、被災した時に必要な罹災証明や各種補助金、制度について解説してまいります。
事前に知っておくことでいざという時の不安や心配が少し和らぐはずですので、どうぞ最後までご覧いただき、知識の備えとして参考にしていただければと思います。

支援を受けるために必要となる「り災証明書(罹災証明書)」

災害によって住家などの建物に被害を受けた場合、国の基準に基づいた被害調査を市区町村が行い、被害の大きさや種類を区分して判定します。
その判定結果を証明するための書類を「り災証明書(罹災証明書)」と言います。
り災証明書は被災によって義援金や支援金、税金の減免といった支援を受けるために必要な書類で、ここで被害認定された内容によって受けられる支援の程度が変わるため十分に注意して判定してもらう必要があります。
区分は「全壊、大規模半壊、半壊、全焼、半焼、床上浸水、床下浸水」等に分けられます。
ちなみにこれは行政が行っている支援制度の一つであり、民間の損害保険が行っている「損害査定」とは内容が異なります。罹災証明で損害査定が同じになるというわけではありませんので注意しましょう。

罹災証明の手続きのポイント

災害によって居住している建物に被害を受けた場合、り災証明書の申請をすることになります。
流れとしては必要な書類を揃えお住まいの自治体の担当の窓口、あるいは管轄の消防署に罹災証明書の発行を申請するのですが、その際に被害状況の写真を提出できると判定に役立ちますし、自己判定方式といって業者で現地調査を行わずご自身で撮影した写真を調査に代え、発行までの時間を短縮できることもあります。(自己判定方式は準半壊に至らない、一部損害の場合のみ適用されます。)
しかし撮影する際に倒壊の恐れなど危険がある場合には無理をせず安全を優先して下さい。
罹災証明はスマートフォンからの申請も可能です。

罹災証明で適用される補助金などの種類

災害で自宅に被害を受けた方に向け、現在はさまざまな支援制度が用意されています。
その中の一部を以下に紹介していきましょう。

<生活再建支援金>

「被災者生活再建支援法」では、自宅が損壊し補修や修理、新たに住宅を建設、購入するといった生活再建を支援するための制度が制定されています。
適用されると住宅の被害の程度、損害の割合に応じた基礎支援金、そして被災後の生活に応じて加算支援金が支給されます。
実際に受け取りまでにかかる期間は災害の規模によっても異なりますが約1ヶ月を見ておくと良いでしょう。
生活再建支援金の対象となる世帯は、基本的に罹災証明で全壊か大規模半壊、中規模半壊が認定された場合です。(例外もあります。)
世帯人数が複数の場合、全壊で基礎支援金は100万円、大規模半壊で50万円。半壊や敷地の被害で自宅の解体や長期避難が伴う場合は100万円。加算支援金は状況に応じて25万円から200万円が支給され、総額は多くて300万円支給されます。単身世帯の場合は上記の4分の3の額になります。
また、これは賃借した物件に入居している場合も金額は異なりますが支援金の対象となりますので、自治体に相談するのを忘れないようにしましょう。

<応急処置>

災害によって家屋に被害が生じた時は「災害救助法」に基づき緊急で住宅の応急修理を支援する制度があります。
内容は居室、キッチン、トイレといった日常生活で必要となる最低限の部分であり、修理費用も令和4年4月の規定では65.5万円を上限としています。
こちらは罹災証明で「半壊」「大規模半壊」の被害認定を受けていることが条件で、全壊でも適応されるケースもあります。
修理は自治体から業者に委託され、修理費は直接業者に支払われる形になります。
所得制限等があるため、お住まいの自治体のホームページや電話で詳細な制度の事項や情報をご確認ください。

<義援金>

義援金という名前を耳にしたことがある人は多いと思いますが、その内容は意外と知られていないのではないでしょうか。
義援金は一般の人や企業等から集めた募金を、被災者のくらしを再建するために行政を通じて公平に配分されるお金です。
代表的なものに日本赤十字社や中央共同募金会などがありますが、それら団体が受け付けた義援金を第三者機関である義援金配分委員会に拠出し取りまとめ、配分基準を作成して実際に被災された方々に配分します。
しかし額に関しては災害の内容や都道府県の地域によっても異なるため、いくら支給されるのか事前に知ることは出来ません。

<災害援護資金>

災害で被害を受けた方の中で、所得金額が一定の範囲内であれば災害援護資金の貸付を受けることが可能です。
利率は年3%。償還期間は10年。無利子となる3~5年の据置期間が設けられていますが、原則として返納が必要な制度ですので利用は慎重に考えましょう。

<災害見舞金制度>

災害見舞金は自治体が独自に制度を設けている場合があります。
その名の通り、災害によって被害を受けた住民に見舞金を支給する制度ですが、被害が多い時や被害が故意である場合は支給されない等、自治体によって要件は違います。

<その他>

上記の他にも被災者向けの融資や低所得者向けの福祉資金制度、社会保険料や税、医療費等の減免、公共料金の特別措置、金融機関の預金払い戻し、通帳やキャッシュカードを被災により滅失、紛失した場合に本人確認さえ出来ればお金を引き出すことが可能になる等の策が講じられています。

まとめ

日本全国で頻発する自然災害。自分たちがいつ被災者となるか分かりません。
日頃の防災に関する知識や対策はもちろん重要ですが、それでも大きな災害により自宅が大きな損害を被ってしまう可能性はあります。
また、生活再建には大きなお金がかかることから補助金などの制度を活用することが重要です。
今回紹介したもの以外にもさまざまな制度がありますが、いずれにせよ住宅に損害を受けたらまず罹災証明の申請を忘れずに行うことが大切です。
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